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「実学 中小企業のパーフェクト会計」岡本吏郎

2012/04/26公開 更新
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実学 中小企業のパーフェクト会計


【私の評価】★★★★★(91点)


要約と感想レビュー

 税理士の役割とはいろいろあると思いますが、単なる税務、単なる会計ではなく、経営に使う会計をこの本は教えてくれます。つまり、節税という目の前の現実と、経営という理想の折り合いをいかにつけるかということ。


 例えば、多くの中小企業では、節税対策として、給与・役員報酬をコントロールしています。であれば、社長の貯金も本来は会社のお金だとすれば、会社の資金として管理するということです。


・役員報酬とは、税金が最も安くなる金額に決められます。特に所得が少ないうちは会社の利益を限りなくゼロまたは少し赤字にして 役員報酬で取ってしまうことが一番の節税になります(p70)


 そうした現実を管理するために、会計とは、会社の現状を適切に保守的に把握しなくてはなりません。


 例えば、税制で決まった減価償却には現実と乖離したものがある。だから、実際の設備の寿命が短ければ、実際にあわせて償却する。そうしなければ、あたかも最初のうちは利益が出ているような錯覚に陥ることになってしまうのです。


・スズキ(株)は設備や金型の償却を業界平均の2倍以上で償却。平均2~3年で全部償却を行っています(p23)


 いかに数字を把握し、手を打っていくのでしょうか。この本を読んで、なるほど、会計を使った管理とはこういうことか!と納得しました。


 利益をどうするよりも、長期的視点で貸借対照表をどうするか考える・・・など本質的なことを再確認させてくれる一冊でした。


 岡本さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・売掛金の管理は経理部門などに任せてはいけません・・・あくまでも、売掛金の回収は担当者ごとに売掛金回収率などを管理していくべきです。また、売掛金回収ワースト会社一覧などを作成したり、売掛金残高の取引先ごとの基準を設ける(p248)


・本来は、企業評価の基準は、同業種、同規模の平均や「標準」を超えなくてはいけません。会計の目的が、普通から離れることにあるわけですから、当然のことです(p123)


・一人あたり分析では、比率分析よりも数値を実感として捉えることができる・・・一人当たり経常利益が12万円だとしたら、社員の給料(月額)を平均1万円上げたら利益がゼロか赤字になることが直感的にわかります(p132)


・経営者が気にしている財務会計以外の数字・・・顧客数、見込客数、新規客数、平均顧客定着期間、顧客減少数、接客時間、平均顧客待ち時間、平均一顧客売上高、苦情件数、苦情率、返品高、伝票滞留時間、処理時間、納期遅れ率、開発リードタイム、改善提案数、不良品数、設備稼働率、従業員離職率、従業員数、従業員平均年齢、欠勤率・・(p303)


実学 中小企業のパーフェクト会計
岡本吏郎
ダイヤモンド社
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【私の評価】★★★★★(91点)



著者経歴

 岡本吏郎(おかもと しろう)・・・1961年新潟県生まれ。マーケティング・コンサルタント。税理士。80%の中小企業が赤字という中で、顧問先のほとんどが黒字。特に、独自の戦略的財務の指導とマーケティングコンサルを組み合わせた指導には定評がある


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