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「ミクニの奇跡」松木 直也

2011/01/02公開 更新
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ミクニの奇跡 (新潮文庫)


【私の評価】★★★★☆(84点)


要約と感想レビュー

オテル・ドゥ・ミクニの三國清三(きよみ)さんの修行時代から東京でフランス料理の旗手として有名となるまでの物語です。若いときから一流になることを目指し、野心的な人だったことがわかります。


北海道にいるときは札幌グランドホテルへ向かい、日本なら帝国ホテルやホテルオークラで働くことを目指し、ヨーロッパでは三ツ星レストラン「ジラルデ」、「トロワグロ」、「ロアジス」、「ル・ムーラン・ド・ムージャン」、「カメリア」など超一流の店で腕を磨いています。


・僕は一流になるんだ。一流のステーキとハンバーグとグラタンを作る(p52)


三國さんは多くの伝説を持つ人ですが、最も印象的なのは帝国ホテルで洗い場担当のときに、在スイス日本大使館の料理長として抜擢されたことでしょう。村上料理長は、調理を担当せず皿洗いだけしていた三國さんを抜擢したのです。料理の技術だけなら一流の先輩がいるなかで、村上料理長に「こいつならできるはず」と思わせる何かがあったということなのでしょう。


実は村上総料理長も18歳で帝国ホテルに入り、皿洗いからはじめて、大使公邸料理長となって腕を磨いた経験を持っていたのです。必死に皿洗いをする三國シェフの中に、村上総料理長は昔の自分の姿を見たのではないでしょうか。


・村上総料理長が「出来る限り長くヨーロッパにいること。そして、お金を残さず仕事を身にしみ込ませて帰ってこい」と言ったことを見事に実践して帰国した。(p120)


「自分はこうなるんだ」と思い込む心の大切さを学びました。オテル・ドゥ・ミクニで気軽に食べられる自分になりたいです。松木さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・パートのおばさんたちに混ざり、洗い場で必死になって鍋を洗い続ける。全部の鍋をピカピカになるまで洗った。一度体で覚えこんだものはそうそうやすやすと忘れるものではない。誰よりも早く、数多く、洗い続けた(p67)


・年中無休にしたいと思うんだけどね。どうかな」「じゃあ、僕が休みのときは誰が料理を作るんでしょうか」・・・「休みの日は、彼らに任せればいいじゃないですか」「何を考えているんですか。僕の料理は僕しか作れませんよ(p132)


▼引用は、この本からです。
ミクニの奇跡 (新潮文庫)
松木 直也
新潮社
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【私の評価】★★★★☆(84点)


目次

第1章 カンヌで野宿
第2章 勤労少年の春夏終冬
第3章 二十歳の飛翔
第4章 ジラルデの熱
第5章 レシピを超える感動
第6章 初めてのシェフ
第7章 オテル・ドゥ・ミクニ
第8章 再び、世界へ
第9章 おしゃれな舌
第10章 ミクニという名の奇跡



著者経歴

松木 直也(まつき なおや)・・・1955(昭和30)年生れ。ロンドンに留学後、雑誌編集者及びライターとして活動をはじめる。食を中心とする出版・広告に携わる。


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