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「権力の司祭たち」早坂 茂三

2008/09/02公開 更新
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権力の司祭たち (集英社文庫)


【私の評価】★★★☆☆(70点)


要約と感想レビュー

■田中角栄元総理大臣の秘書官を務めた
 早坂 茂三さんが政治の世界を
 語ってくれる一冊です。


 時代は変わりましたが、
 政治家の世界はそれほど
 変わっていないようです。


■役人の使い方、カネの集め方、
 派閥の役割、選挙区への心配りなどは、
 いろいろな改善の動きがありますが、
 昔も今も似たような雰囲気です。


・田中角栄は言った。「役人は生きたコンピュータだ。使いこなせば役に立つ。方針を明確に示し、予算のわがままを聞いてやり、失敗の責任を負わせず、退官後の天下り先を世話することだ」(p82)


■早坂さんの思いは、そうした細かなことよりも
 天下国家のことを考えることのできる国会議員を
 一人でも増やしたいということです。


 その方向に行ってもらいたいものです。
 本の評価としては★3つとしました。


この本で私が共感した名言

・自民党の派閥は、そこのボスにとって総理・総裁を目指すための私兵の養成機関である。(p13)


・田中角栄が私に言った。「公明党は法華さんの太鼓を叩くヒトラーユーゲントだ」ヒトラーユーゲントというのは、戦前、ナチスドイツの指導者・ヒトラーが作った青年団組織である。(p192)


・権力の司祭たちの頭の中は、八、九割が選挙区の心配と、必要なカネの遣り繰り算段だ。ボスはボスなりに途方もないカネが出ていく。心の休まる時が少ない。並みの代議士が経世済民、世界や天下国家を考えるのは、残りの一、二割だ。(p209)


・昔の徳川時代、幕閣は大名の妻子を江戸に呼んで人質にした。今は逆に地元の選挙民が人質を取る。地方出身の選挙に弱い代議士は、妻子を選挙区に置かなければ信頼してもらえない。二重生活になる。(p204)


・国会議員一人当たり年額一億円のカネを国庫から支出したらよい。・・このカネで政治家は優秀なスタッフを十人も二十人も用意したらよい。いい仕事をするには、頼りになる相棒が必要だ。(p231)


▼引用は、この本からです。
権力の司祭たち (集英社文庫)
早坂 茂三
集英社
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【私の評価】★★★☆☆(70点)



著者経歴

 早坂 茂三(はやさか しげぞう)・・・1930年生まれ。東京タイムズ記者を経て、1962年大蔵大臣田中角栄の秘書官となる。田中が脳梗塞で倒れる1985年まで政策秘書官。2004年没。


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