「日本人はなぜ戦争をしたか」猪瀬 直樹

日本人はなぜ戦争をしたか―昭和16年夏の敗戦 (日本の近代 猪瀬直樹著作集)
【私の評価】★★★☆☆(70点)


■昭和十六年十二月八日のハワイ真珠湾攻撃により、
 太平洋戦争がはじまりました。

 当時の内閣、議会、官僚、マスコミ、軍部は、ほとんどすべて開戦派であり、
 日本が戦争に突き進んでいく空気のようなものを
 この本は描写してくれます。


 ・「和平」という結論が出れば、若手将校によるクーデーターか、
  右翼による要人暗殺が起きかねない形勢にあった。(p84)


■そして、開戦前に軍官民の優秀な人員三十六名を集めた
 「総力戦研究所」が日米戦争をシミュレーションしています。

 その結果は、資源がなく、米国、中国、英国、ソ連に包囲された
 日本は必ず負けるというものでした。


 ・総力戦研究所研究生が模擬内閣を組織し、日米戦日本必敗の
  結論に辿り着いたのは昭和十六年八月のことであった。・・・
  日本が南方に石油を獲りにいったらどうなるか、という想定で
  シミュレーションが進められた。(p130)


■そのような現実を知る人はいるものの、
 日本はこの雰囲気の中で、開戦していくこととなります。

 六十年も前のことですが、
 一度世論が生まれると一斉に一方向に走ってしまう、
 今も変わらない日本の特性を感じてしまいました。

 当時の雰囲気を知るために良い本だと思いますので、
 ★3つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・彼(東條)は自分が頂点にいるとは思わない。天皇がいた。
  彼はその忠実な臣下であった。彼は軍人としてのファンクション
  (職分)のなかで生きていた。理念や思想があれば彼に制度の
  壁を破ることを期待するのは可能だが、それは望むべくもなかった。
  (p182)


▼引用は、この本からです。

日本人はなぜ戦争をしたか―昭和16年夏の敗戦 (日本の近代 猪瀬直樹著作集)
猪瀬 直樹
小学館
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おすすめ度の平均: 4.5
5 戦争を知らない事はよくない
5 本当に「過去を直視」すべきは朝日新聞
5 悪質な多事争論
5 もっと多くの人に知らせたい
5 帝国主義の罠

【私の評価】★★★☆☆(70点)


■著者紹介・・・猪瀬 直樹(いのせ なおき)

 1946年生まれ。
 「ミカドの肖像」「日本国の研究」など、
 日本という国家を考える書籍を多数出版。
 行革断行評議会委員として特殊法人の民営化に取り組む。


─────────────────

■関連書評■
a. 「日本国の研究」猪瀬 直樹、文藝春秋
【私の評価】★★★★★

b. 「一気にわかる!空港の内幕」猪瀬 直樹、PHP研究所
【私の評価】★★★★☆


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