「道路の決着」猪瀬 直樹

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道路の決着 (文春文庫)

【私の評価】★★★★★(93点)


■最近、高速道路のパーキングが
 変化していることに気づきます。


 まず、トイレがきれいになった。
 そして、まずいラーメンがなくなった。
 逆に、パーキング毎に人気メニューを
 PRするようになってきています。


■私は、これは道路公団の民営化がもたらした
 成果だと思っています。


 そして、なんと現在、旧道路公団三社は
 数百億円の税金を払っているそうです。


 道路公団のときには、
 毎年3000億円の税金を使っていたというのに。


  ・旧公団三社(東日本高速道路株式会社、
   中日本高速道路株式会社、
   西日本高速道路株式会社)は、
   年間で二、三百億円ほど納税している。
   かつては三千億円の税金が投入されていた(p14)


■道路公団の民営化は、小泉首相官邸、
 そして民営化推進委員の猪瀬直樹が
 協力して推進し、実現しました。


 この本には、その経過がリアルに
 記載されています。


 反対派を批判するところは、表現が醜いですが、
 そこを除けば非常に面白く読めると思います。


  ・全国料金プール制は、いわば
   ドンブリ勘定のシステムである。
   日本道路公団を分割することで、
   大きなドンブリを小さな茶碗に置き換えることで、
   地域に当事者意識と責任を持たせる(p161)


■一点、知っておかなくてはならないのは、
 猪瀬直樹が脅迫を受けていたということです。


 猪瀬と特殊法人に対する情報公開で協力し合った
 衆議院議員の石井紘基は暴漢に刺殺されています。


 それでも、猪瀬直樹は自分の信じる
 道路公団民営化を主張し、根回し続けたのです。


  ・「近藤さんは、命懸けでやる、と
   新聞やテレビのマイクの前で言いましたね。
   命懸けでやる、と命を懸けるは違う。
   僕のところには毎日のように殺すぞとか
   無言電話の脅迫があります。・・・
   だから命を懸けるということで
   やっていただきたい」(猪瀬)(p102)


■こうした事実だけで、
 3000億円の1%は年金として猪瀬さんに
 支払ってもいいような気になってきました。


 逆に考えれば、猪瀬さんのような人がいなければ、
 官僚国家は変わらないということであり、
 恐ろしい気持ちにもなりました。


 いずれ日本の財政は破綻すると思いますが、
 こうした背景があることを知り、
 さらに実際に戦った人のいることを
 知ることは大事だと思いました。


 そして、自分のできる範囲の中から、
 猪瀬さんと同じ方向で仕事をする人が一人でも増えれば、 
 破綻までの時間を稼げるはずだからです。


 本の評価としては、
 もちろん★5つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・最終確認は作業部隊の例のJR課長とメールでやりとりする
   ことになっている。届いたメールを開いて驚いた。
   意見書の冒頭の部分に中間整理のとりまとめで
   書いておいた「改革の意義と目的」の項について、
   一部が勝手に改竄されているではないか。(p67)


  ・超過債務キャンペーンの背後には、
   税金投入で債務を減らしてもらい、
   身軽になってピカピカの会社に生まれ変わりたいと
   たくらむグループがいた。
   その中心人物が・・・道路公団事務系の
   片桐幸雄・前民営化委員会事務局次長だった。(p78)


  ・加藤寛千葉商科大学長に「猪瀬さん、なにをおいても
   分割だけは絶対に勝ち取らなくてはいけませんよ」と
   忠告されていた。「国鉄は分割民営化できたが、
   NTTの場合は壁が厚くてスタートの時での
   分割ができなかった。いまも悔やんでいる」と(p127)


  ・東日本道路サービスではたらく五十代の収受員は
   給与明細を送ってきた。月給は手取り二十万円。
   天下りのポスト「現場代理人A」は
   年収九百万円だと書いた。
  「彼らは仕事もせず毎日だらだらしている(p195)


  ・業者は生き残りをかけて受注のために必死になる。
   その弱みにつけ込んで公団はOBを
   送り込むのである。(p250)


  ・国鉄改革では、税金を二十四兆円も投入した。
   それは断じてやらないというのが
   道路公団民営化の一貫した考え方で、
   小泉さんはこれを実行した。(p313)


▼引用は、この本からです。

道路の決着 (文春文庫)
猪瀬 直樹
文藝春秋
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5 道路公団民営化について完璧に分かる!

【私の評価】★★★★★(93点)



■著者紹介・・・猪瀬 直樹(いのせ なおき)

 1946年生まれ。作家。
 政界の利権、官僚支配の問題を
 精密な調査を元に著作として発表。
 「ミカドの肖像」「日本国の研究」他著書多数。


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