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「信じるものは救われない」内藤 誼人

2007/08/01公開 更新
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信じるものは救われない


【私の評価】★★★★★(92点)


要約と感想レビュー

 心理学の本といえば、内藤 誼人さんですが、私の読んだ内藤さんの本のなかで一番良い仕上がりでした。書き方に内藤さんの本性が出ていて、自分のために自分の人生を生きろ!という内藤さんの主張を自分の本で証明しているようでした。


 つまり、付き合いたくない人とは付き合わなければよい。読みたくなけりゃ、読まなくてもいいよ。無茶なことを言われたら、「俺の立場で考えてよ」とはっきり言う・・・みたいな、感じなのです。


・「こいつとはウマがあわないな」と思う人、集団、団体には、ムリになじもうとしないことである。(p25)


 内容としては、悪の心理学的なもので良いものも、やり方を間違えると失敗するという現実をわきまえて、うまく世の中を渡るためのコツを集めています。


 たとえば、自分のミスは笑ってごまかして、相手のミスにはとことん付け込んで、良い条件を要求する。


 また、文句を言うならFAXやサイトの掲示板を利用する。FAXなら多くの人の目に触れるので、相手は不誠実な対応ができなくなってしまいます。


・だれかに文句を言うときには、FAXを利用しよう・・・たくさんの人の目に触れるチャンスが増えるのである・・・ネットで文句を言うのも、ひとつのやり方だ。(p151)


 さらに、あなたが上司なら、答えを知っていても、まず部下に質問します。知らないふりをすることで、相手の知恵を聞くことができるし、自分が間違っていたとしても部下に知られることはないのです。


 さらに部下の意見を聴くことで、部下は気分をよくして仕事をしてくれるし、上司である自分を他で褒めてくれるかもしれないのです。


・韓非子は、君主の知恵として、「わざと知らないふりをして質問すること」を勧めている。(p38)


 この本の底流には、「自分を否定的に見る必要はないよ、自分を肯定して生きよう!」という著者の思いがあるように感じました。他人の顔色を伺うのではなく、自分の気持ちに正直に生きてもまったく問題ないことが、心理学でも証明されているのです。


 他人の顔色を伺っていると、他人に左右される人生になってしまいます。それは自分の人生を他人に奪われることに等しいのです。自分の人生であれば、決定権は自分にあるということを明確に意識しなくてはならないのでしょう。


・自力で道を切り開いていかないと、人生というのは思うようにならない。他人の顔色をうかがって、ビクビクすることをやめられない。・・・自分の考えを信じるんだ、他人の言うことなんか全然気にしないもんね(p198)


 心理学というよりは、生きかたのコツを集めた本でした。最後まで興味深く読みましたので、★5つとしました。内藤さん、良い本をありがとういございました。


この本で私が共感した名言

・今の世の中を冷静に見ると、「正直者はバカを見る」としか私には見えない。ビジネスの世界は、相手のエラーにとことん最後までつけ込んだほうが勝ち、というゲームである。(p33)


・イギリスのチェスターフィールド卿の言葉に、「だれよりも賢くあれ、だが、それを決して悟られるな」というのがある。(p36)


・つまらないときや、うんざりしたときには、まず自分自身を騙すのだ。「けっこう、面白いじゃないか」と自分に語りかけるのだ。(p65)


・だれにも負けないものをひとつ持って、あとは全部譲れ(p84)


・どうせサービスするのなら、三倍くらいやらないとダメだ。(p88)


▼引用は、この本からです。
信じるものは救われない
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【私の評価】★★★★★(92点)


著者経歴

 内藤 誼人(ないとう よしひと)・・・慶応義塾大学博士課程修了。有限会社アンギルド代表。心理コンサルティングと心理学関係の執筆を手がける。


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