「孔子 人間、どこまで大きくなれるか」渋沢栄一・竹内均

孔子―人間、どこまで大きくなれるか (知的生きかた文庫)

(評価:★★★★☆)86点


●日本初の銀行を作った人、日本初の製紙会社を作った人、日本初の
 株式会社を作った人、日本初の・・・・・・。
 渋沢栄一は、明治初期の日本の骨格を作った人といえるでしょう。


●企業を作り国を富ませることが、明治維新後の日本の急務であることを
 を知っている渋沢栄一は安定した役人をやめ、実業会に身を投げます。


 ・すべて何事にも論より実行だ。実行の伴わない論は、どれほどの筋道
  の立った論でも役立たない。(p24)


●そして実際に実業界において、日本初の第一銀行をはじめ五百とも
 言われる数多くの企業を立ち上げていくことになるのです。


 ・広く民に施そうとすれば財産がなければならず、大衆を救おうとすれ
  ばこれまた資本が必要だ。何事をするにも先立つものはやはり金銭
  である。(p106)


●この本は読んでいて「疲れる~」というのが率直な感想です。量も
 さることながら、一つひとつの項目が考えさせられますので、読みきる
 のに時間がかかりました。つまり、疲れるといっても「考えさせられる」
 という良い意味での疲れるのです。


 ・孟子は、「敵国外患なきものは国恒(つね)に亡ぶ」と言っている。
  まさにその通りである。国家が健全は発達を遂げるためには、農業
  でも商工業でも学術技能でも、外交上においても常に他の外国と競争
  して勝つという意気込みがなければならない。(p78)


●論語を通じて幅広い視点について渋沢栄一の考え方を理解する
 ことのできる良書だと思います。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・学問が優秀で働きが多い者はその所得は増加し、学問が低劣で労働が
  少ない者は、その収益が減少するのは当然だ。この自然の成り行きに
  逆らって万人一律としたら、人々は学問を怠り、仕事を怠って社会は
  退歩してしまう。(p59)


 ・年の若い元気の充満している青年が、一にも円満、二にも争いを
  避けようというような精神で世に立つと、自然卑屈に流れてしまう
  であろう。(p82)


 ・恩恵だけでは人がこれになれてダメになると同時に威圧だけでは
  人がこれを嫌って心服しないものである。(p120)


 ・私は倹約であると同時に、必要な事業には大いに積極的でありたい
  と思う。(p128)


孔子―人間、どこまで大きくなれるか
渋沢 栄一
三笠書房 (1996/07)
売り上げランキング: 3,341
おすすめ度の平均: 4.6
5 読みやすい!
5 気が引き締まる、謙虚になれる1冊
5 とてもわかりやすいです。

(評価:★★★★☆)86点


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