【書評】「タダで、何度も、テレビに出る! 小さな会社のPR戦略」下矢 一良
2026/04/13公開 更新
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【私の評価】★★★★☆(87点)
要約と感想レビュー
ディレクターは取材先探しに困っている
著者はテレビ東京に入社し、ディレクターとして「ワールドビジネスサテライト」や「ガイアの夜明け」を制作していました。テレビの人気番組に1回出演すれば、広告費3000万円にも相当すると言われており、その敷居は高いと感じる人が多いのではないでしょうか。
しかし、実際はテレビのディレクターは常に取材先探しに困っているのだという。著者がディレクターなりたてのときには、ネタがなくて切羽詰まったときには毎日500通も送られてくるプレスリリースを目を皿にして読んでいたというのです。
ディレクターは,常に取材先探しに困っている・・・書店に行っても,街のどこかの店に入っても,何か番組にできるものはないかと目を凝らしています(p60)
テレビに出演できるプレスリリース
では、テレビに出演できる企業のプレスリリースの特徴は、どこにあるのでしょうか。
それは、日本経済を象徴しているか,今どき感があるか,ストーリーがあるかという3点であるという。日本経済を象徴したり、今どき感を出すのに有利なのは大企業です。唯一、中小企業が有利なのがストーリーなのです。
なぜかといえば、中小企業には、看板商品の開発秘話,不況での倒産危機,事業承継の課題などのネタが埋まっていることが多いからです。したがって、著者の提案は、プレスリリースにテレビが好むストーリーの要素を書き込んで、テレビ番組宛てにFAXで送ることなのです。
そうすれば、最も切羽詰まっているディレクターが必ずFAXのプレスリリースに目を通すというわけです。
プレスリリースはFAXで送るべし・・・500通ものプレスリリースに短時間で目を通す・・・紙のほうがはるかに速いのです(p211)
メディア掲載までの流れ
プレスリリースを送って、記者の目に留まると、記者はネットで検索して下調べします。そして怪しい会社でないとわかると、電話で事前取材します。実際に出向いて取材する価値があるかどうか、電話で確認するわけです。
したがって、プレスリリースの目的は,毎日500通の中から選んでもらい、電話での事前取材をしてもらうためのものなのです。確率のよい宝くじのようなものなのです。
また、メディア掲載の傾向としては、最初は専門紙で記事にしてもらい、次に全国紙や有名ビジネス誌に掲載され、最後にテレビで取り上げられるというパターンが多いという。したがって、中小企業はプレスリリースを業界の専門紙,地元の地方紙にも送るのです。
狙い目の時期・・ゴールデンウィークは,経済はもちろんのこと,政治も動きが止まります・・・放送枠を埋めることができません・・・夏休みの最中である8月も(p221)
メディア掲載成功事例
日本酒「獺祭」で有名な山口県の旭酒造は、杜氏が蔵を去るという危機から、マニュアルとデータによる吟醸酒造りをはじめたというストーリーでした。創業直後のソフトバンクは「パソコン流通業界のダイエーを目標にする」というストリーで日経新聞などで15回も記事になっていたという。
このように実力も大事ですが、メディアをうまく活用することで、より早く成長できるという現実もあるのです。メディアでは,数少ないネタを取り合っているということですので、よいネタを提供したいものです。
下矢さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・ストーリー作成シート・・・1今の事業をはじめたきっかけ・・・2きっかけ後の取組み・・3将来の夢(p101)
・社会軸のストーリーは「企業が世の中を変えるために挑み続ける」というものです(p83)
・キーワード化は,一瞬でわかってもらえるためには便利な方法です(p120)
・販売実績報告型・・・短期間で拡大したという実績をプレスリリースで打ち出す(p186)
▼引用は、この本からです

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下矢 一良 (著)、同文舘出版
【私の評価】★★★★☆(87点)
目次
1章 商品に特徴がなくても、無名の会社でも、何度もテレビに出る技術
2章 テレビ攻略の原理原則
3章 テレビが飛びつくストーリー構築法
4章 ストーリーをプレスリリースに盛り込む技術
5章 プレスリリースを取材につなげる技術
6章 マスコミを攻略し、出演効果を最大化するネット活用術
最終章 大きな成果を生む小さな一歩
著者経歴
下矢 一良(しもや いちろう)・・・マーケティング・コンサルタント。テレビ東京、ソフトバンクなどを経て、コンサルタントとして独立。早稲田大学大学院理工学研究科(物理学専攻)修了後、テレビ東京に入社。「ワールドビジネスサテライト」「ガイアの夜明け」を、ディレクターとして制作する。その後、ソフトバンクに転職。年に1組しか選ばれない「ソフトバンク・アワード」を受賞。現在はコンサルタントとして中小企業の支援に取り組んでいる。
企業PR関連書籍
「タダで、何度も、テレビに出る! 小さな会社のPR戦略」下矢 一良
「PRのススメ―小さな会社こそ、社長が広報をしよう」阿部 重郎
「人気情報番組の放送作家がこっそり教えるタダでテレビに取り上げられる方法」石田 章洋
「小さな会社の頭のいい社長がやっている「仕掛け営業術」」松尾 昭仁
「仕掛ける力: 売れる広報の鉄則」三井 智子
「Passion Relations真・広報PR術 想いをこめた「物語」が共感の連鎖を呼ぶ」犬飼 奈津子
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