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「5秒で伝えるための頭の整理術」松本 利明

2022/09/28公開 更新
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「5秒で伝えるための頭の整理術」松本 利明


【私の評価】★★★★☆(88点)


要約と感想レビュー

 著者は外資系コンサル会社に転職して、ゼロベースで考えろ!と言われて苦しい時間を過ごしました。追い込まれた著者はコンサル会社の過去の資料を読み込みました。そこで著者が発見したのが、この本の整理術なのです。その整理術とは、ソラ「空を見ると曇ってきた(事実)」、アメ「雨が降りそうだ(解釈)」、カサ「傘を持っていこう(判断)」に整理するものです。


 これは事実を突き詰めること。そして、事実と解釈をわけること。解釈は「どうなりそうか」「壁」「論点」など幅広く検討することで、判断を幅広く考えることができるのです。シンプルでありながら応用が効くという点で、コンサルの現場で使われているというのは嘘ではないと思いました。


・あえて突っ込むことでアメをクリアにする・・・依頼者の状況を想定し、質問や仮説をぶつけてみるのです(p92)


 一番興味深かったのは、仕事ができない人への対応です。仕事ができない人への間違った対応とはその人に変わることを期待することだという。著者のお勧めは仕事ができない人に期待せず、進捗に合わせてチェックしていくことです。チェックリストを作ってあげたり、間違えないようなツールを用意して考えなくても結果が出る仕組みを作ってあげるのです。


 著者は過去に仕事ができない人に期待して、その人を変えようとしてパワハラ、メンタル問題で会社に訴えられたり、外部に情報をリークしたり、労組を使って自爆テロを仕掛けてくる人を数多く見てきたというのです。人は基本的に変わらないので、「そのままでいいんだよ」などと言って、信じて気長に育ててあげるのがベストなのでしょう。


・一番怖いのは仕事ができない人の反乱です・・・パワハラ、メンタル問題で会社に訴えてきたり、外部に社内情報をリークするなど、死ねばもろともの自爆テロを仕掛けてくる人や、労組を巻き込んだ平成一揆を仕掛けてくる場面を数多く見てきました(p161)


 整理術以外にも著者の仕事のノウハウを教えてもらえる点に、好感が持てました。例えば、ノーと言うだけでなく、さらによくする代替案を出すとか、「仕事の結果を何に使うのか?」と上司の指示の裏にある本来の仕事の目的まで聞き出して確認するなどは著者が多くの職場で学んだノウハウなのでしょう。


 仕事のできる人の仕事のやり方を真似したいものです。松本さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・最初に伝えるA案は無難な案。次に伝えるB案はあなたがベストだと考える本命案(p74)


・相手のスタイルに合わせて伝えること。情熱型(理想が高い・・達成型(親分肌。目標を立てて達成・・友好型(人間関係が第一・・保守型(リスクを嫌い・・(p114)


・「リカバリープランを実現させるため、会社や上司としてどう支援してほしいですか?」しか聞かれず、ビックリしたのを昨日のことのように覚えています(p211)


・心の安全装置・・「あいつは人の話を聞かない」→自分が相手の話を聞かないことを相手がそうだと思い込む(p145)


▼引用は、この本からです
「5秒で伝えるための頭の整理術」松本 利明
松本 利明、宝島社


【私の評価】★★★★☆(88点)


目次

第1章 何かを伝えたいなら5秒で決める
第2章 5秒で伝えれば誤解も防げる
第3章 トラブル時こそ5秒で収拾せよ
第4章 自分にも5秒で問い、修正する



著者経歴

 松本利明(まつもと としあき)・・・人事・戦略コンサルタント。HRストラテジー代表。日本人材マネジメント協会(JSHRM)執行役員。HR総研客員研究員。PwC、マーサー、アクセンチュアのプリンシパル(部長クラス)を経て現職。国内外の大企業から中堅企業まで600社以上の働き方と人事の改革に従事。企業向けのコンサルティングや選抜リーダー教育に加え、「ソラ・アメ・カサ」などのコンサルティングツールを一般のビジネスパーソンの仕事力アップへ応用するノウハウに定評がある


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