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「100年残したい日本の会社」藤間秋男

2022/07/25公開 更新
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「100年残したい日本の会社」藤間秋男


【私の評価】★★★★☆(87点)


要約と感想レビュー

 100年企業創りコンサルタントが,100年後も残ってほしい企業を10社紹介してくれます。著者がこの10社を選んだ基準は,大きな夢を目指して,社員をその夢に巻き込んでいこうとしているか,どうかということです。


 有名な企業も含まれますが,どの会社も利益と社会貢献と社員の成長という狭間で悩み,試行錯誤していることがわかります。著者は「夢」と表現してますが,私には「志」があると感じました。「志」があるから頑張れるのです。


・夢を語り続けて,社員を巻き込んでいくことが重要(p8)


 驚いたのは,社員350人の「宮田運輸」です。毎月一回,日曜日に全従業員が自主参加で「未来会議」を9時から19時くらいまで開催しているという。この「未来会議」では,会社の業績も報告しますが,昼からは生きている意味や死について議論したり,ヨガをしたりして,最後は懇親会までするという。社外の主婦,大学の先生,学生も参加できて参加者100名くらいというのですから,自己啓発セミナー,ワークショップになっているのです。


 トヨタも最近まで改善活動は自主研究活動として業務外として無給でやっていたことを思い出しました。もう仕事を超越してしまって,仕事自体が自分を成長させるための手段になっているのです。


・「致知」を全社員350名に月1冊ずつ買って勉強会をやる(宮田運輸)(p54)


 個人的には,家事代行・家政婦サービスの「ベアーズ」に興味を持ちました。女性が社会進出するためには,海外のようなメイドサービスが日本にも必要なのです。女性が稼いで,家政婦さんも稼げるのですから,日本のGDP向上に貢献することでしょう。


 100年企業創りコンサルタント版エクセレントカンパニーという内容で,これらの10社が10年後,どうなっているかで著者のセンスが試されるのだと思いました。この本では10社を紹介していますが,私の知らない会社や事業も多く私の勉強不足を感じました。もう少し紹介されている会社をフォローしてみます。


 藤間さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・フィロソフィー制作委員会があって毎月一本動画をつくっているんです・・一人ひとりの良いところにスポットライトを当てていく(宮田運輸)(p62)


・グループ会社が今,国内が7社,海外が11社・・・社長になる確率は20分の1なんです・・・教えるより場所を与える(ピジョン)(p87)


・鏡に,「いい顔つくろう」って小さく書いてあるんです・・単純なことです(ホリプロ)(p136)


・メイドさん・・・仕事を与えるということは,幸せな人生をどんどん与えてくださることですよ」と言われたんです(ベアーズ)(p158)


・世帯購買における女性の影響力は9割近くにのぼる(ハー・ストーリィ)(p201)


・22施設を星野リゾート・リート投資法人が所有しています(星野リゾート)(p250)


▼引用は、この本からです
「100年残したい日本の会社」藤間秋男
藤間秋男、扶桑社


【私の評価】★★★★☆(87点)


目次

第1章 大きな夢を追う(ユーグレナ,宮田運輸)
第2章 未来への事業継承(ピジョン,おやつカンパニー,ホリプロ)
第3章 新しい産業をつくる(ベアーズ,鎌倉投信,ハー・ストーリィ)
第4章 危機感をバネにする(紀尾井町 福田家,星野リゾート)



著者経歴

 藤間 秋男(とうま あきお)・・・TOMA100年企業創りコンサルタンツ株式会社 代表取締役社長。TOMAコンサルタンツグループ株式会社
代表取締役会長。1952年東京生まれ、130年続く藤間司法書士法人の4代目の長男として誕生。1975年、慶応義塾大学卒業。大手監査法人にて5年間の勤務を経て、1982年に藤間公認会計士税理士事務所をスタート。200名を超えるコンサルティングファームとなる。2017年、創業35周年を機に、代表取締役会長に就任。ライフワークである中小企業の100年企業創り・後継者づくりを支援する新会社「TOMA100年企業創りコンサルタンツ株式会社」を設立し、代表取締役に就任。


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