「ちょっと神さまになってみました 死んで分かった、あの世の仕組み」荒川 祐二
2021/02/26公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(80点)
要約と感想レビュー
輪廻転生の目的は魂の成長
現役の住職さんが監修者として、仏教の世界をくだけたストーリーで教えてくれる一冊です。人が死ぬと「死出の山」を7日間歩き続け、三途の川で最初の裁判が開かれるという。これが初七日。
それから一週間ごとに七王による生前の行いの裁判を受け、良い行い、悪い行いにより輪廻転生先が決まるのだという。これは四十九日。最後の泰山王によって、6つある迷いの世界=六道(地獄界、餓鬼界、畜生界、修羅界、人界、天界)のどれに進むかが決まります。これがいわゆる「輪廻転生」なのです。
面白いのは、何度も生まれ変わるという「輪廻転生」の目的が、魂の成長である、ということです。魂の成長させるためには、感謝されるという「徳」というポイントを貯める必要があるのです。人から感謝されレベルアップして後悔のない人生を送り、人としてやるべきことをすべて終えたら「神」にさえなれるという。
欲しいものを手に入れるまでの困難や過程があるからこそ、手に入れたときの価値を感じているわけでな。そこに苦しみや迷いの意味がある。何でも容易に手に入るというのは、ある意味、不幸なんや(p135)
宗教とは組織化された成功哲学
よく考えれば、仏教と同じようにキリスト教にも死後の世界、天国と地獄があり、悪魔という鬼がいるのです。輪廻転生するか、しないか、評価軸が罪か信仰心かなど違いはあるものの、大きな世界観では近いものがあるように感じました。
ある意味、宗教とは組織化された成功哲学を伝承する仕組みのように感じました。荒川さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・お前らは現世の人生までに、数えきれないほど何度もの生まれ変わりを経て、今回の人生を迎えている(p74)
・とにかく人を憎み、憎み、憎み、目に映るものすべてに対して憎しみを持ってしまった、悲しき存在。それが鬼(p191)
【私の評価】★★★★☆(80点)
目次
第一章 死後の世界をめぐる旅
第二章 ちょっと神さまになってみました
第三章 神さま見習いからのメッセージ
著者経歴
荒川 祐二(あらかわ ゆうじ)・・・1986年3月25日生まれ。上智大学経済学部経営学科卒。大学時代に「自分を変えたい!」という思いで、毎朝6時から新宿駅東口の掃除をたった1人で始める。その活動は2008年、22歳の時に書籍にもなり、作家としての道を歩み始め、現在までに著書17冊、発行部数は累計10万部を突破している。2017 年3月から、古事記の物語や日本の神々の歴史をブログでコミカルに伝え続け、わずか半年で1日最高5万アクセス、月間アクセス100万を突破する。
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