「ヒトは食べられて進化した」ドナ・ハート ロバート W.サスマン

| コメント(0) |

ヒトは食べられて進化した

【私の評価】★★★☆☆(72点)


■私の原始人のイメージは、
 アニメ「はじめ人間ギャートルズ」の
 氷河期にマンモスを食べているもの。


 確かに40万年前までは
 人は狩猟をした証拠があり、
 10万年周期とされる氷期を
 狩猟もしながら生きてきたのです。


 ただ、それは火を使うように
 なった40万年前からのことであり、
 それまでは雑食であったと
 考えられています。


・人類は何百万年にもわたって採食活動によって
 食物を獲得し、そのなかで進化してきた。
 そのころは、肉とはめったに手に入らない
 おまけのような食べ物だった・・・
 毎日肉を食べている人では、
 ほぼ完全な菜食を守っている人と比べて、
 大腸がんが2.5倍発生しやすい(p313)


■なぜならば、
 人の消化器と歯は肉食に
 最適化されていないからです。


 火で焼いた肉を食べて
 たかだか40万年では
 肉食に適応した進化が
 できていないということなのです。


 現代においても、
 肉食だけを続けていると
 病気になりやすいというのは
 納得できるものだと思います。


・人間は肉食動物のような歯も消化器官も
 もち合わせていない・・人間の腸管は短い。
 したがって、どんな肉を食べる前にも
 まずは消化しやすいように火で
 処理しなければならなかった(p314)


■本書のタイトルは
 「ヒトは食べられて進化した」
 ですが、ただ食べられていた
 わけではありません。


 本当に多く食べられたとしたら
 ヒトは絶滅していたでしょう。
 現代と同じように絶滅しない程度に
 食べられていたのです。


 人は10万年単位でゆっくりと
 進化していくようです。


 あと10万年経てば、
 パソコンに適応した人に
 進化するのでしょうか。


 ハートさん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・ボアズが算出した脳の大きさの変化速度には
 驚いてしまう。10万年ごとに20ccの脳組織
 (神経細胞約1億5600万個)が増えていた(p320)


・霊長類種の繁殖はゆっくりしている。
 妊娠期間が長く、生まれてくる子の数は
 多子ではなく一子であり、出産と出産の
 間隔が開いている・・したがって、
 霊長類集団全体として見れば必然的に
 捕食はまれな出来事となる(p71)


・体の大型化、社会集団、発声、知性、威嚇行動・・
 ヒト科にはこういった防御の仕組みが
 最初から組み込まれていて、実戦のなかで
 改良され続けてきたのだ(p224)


・もしヒト科がなされるがままの被害者だったなら、
 まちがいなく種として生き残れなかっただろう。
 ウサギなどの小型哺乳類は、たいていの肉食動物、
 ヘビ類、猛禽類の食事メニューに載っている
 被食者でありながら、今なお種として生き残っている。
 ウサギにはすばやく逃げる、すばやく「多産する」
 (一度にたくさんの子を生むうえに妊娠期間が短い)
 という戦略がある(p219)


・原生霊長類、たとえばヒヒの行動を見てみると、
 霊長類-捕食者対決において、同じく昼と夜とで
 立場が逆転する現象が確認できる。
 雄のサバンナヒヒは、日中は歯をむき出しにして
 捕食者めがけて飛びかかる。それどころか
 捕食者を殺した事例もかなりの数に上る・・・
 ヒヒがヒョウに対して積極果敢に報復した例が
 11例あがっていたが、そのうち4例で
 ヒョウが殺されていた(p11)


・動物学者ジョージ・シャラー・・
 彼の結論によれば、捕食は被食者人口に
 対する重要な限定要因ではない。
 それどころか、ほとんど影響を与えない。
 なぜならば、ライオンのような捕食者が
 おもに手を出すのは、栄養不足や病気によって
 どのみち死を運命づけられている
 余剰動物だからだ(p53)


・恐れを感じるときの生理的なしくみ・・・
 瞳孔の拡大(危険に対して視覚を敏感にする)、
 肺の細気管支の拡張(酸素吸収を高める)、
 血圧と心拍の急上昇
 (脳と筋肉により多くの燃料を供給する)、
 肝臓のグリコーゲン分解
 (瞬時にエネルギーを供給する)、
 アドレナリンを含んだ血液の大放出
 (生理的防御体制を確実にする)、
 脾臓の収縮(必要なときに備えて白血球を送り出す)、
 膀胱と結腸を空にする準備(激しい動きを予測して)、
 消化器官の毛細血管の収縮(血液を筋肉へ向ける)、
 立毛(体毛が「逆立つ」奇妙な現象-
 おそらく体を大きくするため)。 
 以上のような反応はすべて、小脳扁桃という
 脳のなかのいわば原始的な部分の
 働きによって起こる(p106)


・コモドオオトカゲは威嚇もせずに
 いきなり人間を襲う・・・
 トカゲの口の中には病原菌が含まれているため、
 人間が傷を負わされると、
 敗血症を起こしてしまうのだ(p172)


この記事が参考になったと思った方は、
クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
blogranking.png


人気ブログランキングへ


ヒトは食べられて進化した
ドナ・ハート ロバート W.サスマン
化学同人
売り上げランキング: 403,823

【私の評価】★★★☆☆(72点)

[Amazonで購入する]

[楽天ブックスで購入する]



■目次

1章 ありふれた献立の一つ
2章 「狩るヒト」の正体を暴く
3章 誰が誰を食べているのか
4章 ライオンにトラにクマ、なんてことだ!
5章 狩りをするハイエナに腹をすかせたイヌ
6章 ヘビにのみ込まれたときの心得
7章 空からの恐怖
8章 私たちは食べられるのをぼうっと待っているだけではなかった
9章 気高い未開人か、血に飢えた野獣か
10章 狩られるヒト



にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ第3位
にほんブログ村




この続きは無料メールマガジン 「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』:1ヶ月30冊を超える情報をe-Mailで」でお読みいただけます。

無料メルマガ購読

>月別(2002年7月~)