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「精神論抜きの地球温暖化対策―パリ協定とその後」有馬純

(2018年12月15日)|本のソムリエ メルマガ登録
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精神論抜きの地球温暖化対策――パリ協定とその後


【私の評価】★★★☆☆(70点)


■地球温暖化対策については、
 京都議定書という苦い記憶があります。


 世界一の省エネ国家が
 地球温暖化防止対策として
 日本はいったいくら支払ったのか。


 電力業界だけでも毎年1000億円くらい
 支払っていましたので、
 1兆円弱が流出したと言われています。


 効果も根拠も明確でないなかで
 歴史に刻まれる
 愚かな寄付行為だったと思います。


■世界の4%しかエネルギーを消費していない
 省エネの発達した日本がさらに
 温暖化ガスを削減するのは非常に困難です。


 そもそも温暖化ガスで地球が温暖化するとしても
 その影響度は科学的に明確になっておらず、
 他の要因がが大きい可能性も捨てきれません。


 これで地球が寒冷化でもしたら
 温暖化ガスを排出を増やす政策を行うのでしょうか。
 人類がいかに愚かであるかの
 事例となることでしょう。


 有馬さん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・国連交渉を通じて、「IPCCが2℃目標を勧告している」との言辞が繰り返されてきたことは大きな問題である。IPCCは、気候変動に関する科学的知見を偏りなく集大成して国連に報告することがミッションであり、特定のシナリオや政策を推奨することは禁じられている(p93)


・現実には、気候感度の想定値についての科学的コンセンサスはない。IPCC第5次評価報告書では、1.5~4.5℃の範囲のなかに入っている可能性が高いとされたが、最良推定値については合意が求められなかった(p97)


・2020年までに1990年比で25%の温室効果ガスを排出削減するとの中期目標を掲げている・・・25%目標はもともと根拠の乏しいものであったが、福島第一原子力発電所事故により、いよいよ実現可能性がゼロになった以上、見直しは当然のことであった。その際、併せて、その先に置かれた2050年80%目標も見直すべきであった(p139)


・地球温暖化防止に真剣ならば原子力発電所の新増設が必要(p152)


・炭素価格議論は国際競争力の問題と切り離せない・・世界均一の炭素価格を導入することが最も望ましい(p187)


・2016年3月までの累計買取総額3.3兆円・・FITによって削減された系統電力の排出係数を0.5kg/kWh、回避可能費用を10円/kWhと仮定すると、FITによるCO2削減費用はトン当たり約5万円程度となる(p190)


・クレジット価格が・・5ユーロ程度では、低炭素経済に向けた投資を促すことにならない。それどころか、石炭火力を燃やして安価なクレジットを購入しても十分ペイするすることになってしまう(p194)


・日本には、既に地球温暖化対策税に基づく明示的炭素価格が存在することに加え、エネルギー課税、省エネ規制、再生可能エネルギー導入策、自主行動計画など、多くの既存施策による暗示的炭素価格が存在する・・これらの施策も含めた全体の炭素コストで他国との比較を行うべきであろう(p207)


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【私の評価】★★★☆☆(70点)



■目次

第1章 COP21への長い道のり
第2章 COP21に向けての争点
第3章 COP21はどう進んだのか
第4章 COP21はなぜ成功したのか
第5章 パリ協定で何が決まったのか
第6章 パリ協定をどう評価するか
第7章 世界は脱炭素化に向かうのか
第8章 26%目標達成のカギは原子力
第9章 長期戦略と長期削減目標
第10章 地球温暖化防止に取り組むならば原子力から目をそらすな
第11章 長期戦略の中核は革新的技術開発
第12章 炭素価格論について考える
結びにかえて
参考資料:パリ協定採択に関するCOP決定及びパリ協定全文



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