「スタンフォード大学 夢をかなえる集中講義」ティナ・シーリグ
2016/02/04公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(79点)
要約と感想レビュー
スタンフォード大学で、起業家精神を教える授業があるらしい。ちょっと読んでみましょう。まず、「何かやってみる」。これが起業家精神です。つまり、新しい企てをするということ。著者は、行動してはじめて情熱が生まれるのであって、情熱があるから行動するわけではない、と断言しています。
もちろん、新しいアイデアを考える創造性も大切ですが、やはり大事なのは行動なのです。行動するためには、小さく行動する。つまり、プロトタイプやサンプルを作ってテストして、それが良いのか悪いのか、改善点はないのか検討するのです。
・観察する→定義づける→アイデアを出す→プロトタイプをつくる→テストする(p211)
著者のお勧めは、プレトタイピングです。「投資する前にテスト」して、製品をつくるかどうかを判断するのです。自分たちが目指すもののサンプルをつくるわけです。
そして、そのアイデアが大胆であればあるだけ批判され、失敗の寸前まで追い詰められることが多いという。そうした状況にもめげず、長期にわたってやり続けられるイノベーターだけが、成功するのだという。
起業家精神も教えるのが、アメリカらしいと思いました。まず、型を作って、あとは自分に合わせていくということなのでしょう。日本でもこうした起業家精神を教える授業がほしいですね。教える先生という職業自体が保守的なので、自分を否定するような授業になるかもしれませんが、未来の生徒のためには必要な授業なのでしょう。シーリグさん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・長年かけて学んだのは、どんなことでも興味をもっと取組さえすれば面白くなる、ということです(p49)
・自分の時間で何をするのか、行動を意識するのは大事ですが、何を考えるのか,思考を意識することも重要です(p128)
・パスワードはQuit@smoking4ever(一生禁煙)にしました。それで、どうなったか。冗談ではなく、一晩で禁煙できたのです。さらに一か月後、今度はSave4trip@thailand(タイ旅行のために貯金しよう)に変えました。三か月後、どこにいたか。なんとタイにいたのです。(p142)
・起業のために、寮の部屋にこもってコンピュータのプログラムを書きたいというのなら、やればいいと思います。当然、授業の評価は低くなるかもしれませんが、それは本人が選択した結果であって、私が選択したわけではありません(p84)
▼引用は下記の書籍からです。
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【私の評価】★★★☆☆(79点)
目次
序 章 ── ひらめきを形に
第I部 想像力
第1章 どっぷり浸かる ── 建物のなかに入る鍵
第2章 ビジョンを描く ── 世界があなたの舞台
第II部 クリエイティビティ
第3章 やる気を高める ── 顧客は自分自身
第4章 実験を繰り返す ── 卵は割れてもかまわない
第III部 イノベーション
第5章 フォーカスする ── ゴミ箱のなかを整理する
第6章 フレームを変える ── 脳に刷り込む
第IV部 起業家精神
第7章 粘り強く続ける ── 何がボートを浮かせるのか
第8章 周りを巻き込む ── 物語を聴かせて
終 章 ── 終わりは始まり
著者経歴
ティナ・シーリグ(Tina Seelig)・・・スタンフォード大学医学大学院で神経科学の博士号を取得。現在、スタンフォード大学工学部教授およびスタンフォード・テクノロジー・ベンチャーズ・プログラム(STVP)のエグゼクティブ・ディレクター。米国立科学財団とSTVPが出資するエピセンター(イノベーション創出のための工学教育センター)のディレクターでもある。さらに、ハッソ・プラットナー・デザイン研究所(通称d.school)でアントレプレナーシップとイノベーションの講座を担当
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読んでいただきありがとうございました!
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