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「ほんとうは共産党が嫌いな中国人」宇田川 敬介

2016/02/05公開 更新
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ほんとうは共産党が嫌いな中国人 (PHP新書)


【私の評価】★★★☆☆(73点)


要約と感想レビュー

 ジャーナリストの宇田川さんが、多くの中国人に取材した結果から、中国という国を考える一冊です。まず、基本的にマスコミと中国共産党とには、「中国の悪いところは報道しない」という協定を結んでいた経緯があることを知っておきましょう。


 そして、マスコミと政治家に中国共産党と近い思想を持っている人が存在しています。ウイグル弾圧のニュースは、日本のテレビでも新聞でもほとんど見ることがない理由です。だから,本当の中国という国を理解するのは難しい状況にあるということです。


・中国における共産党に批判的な勢力や,民主化運動家の意見などは,当然「協定違反」となってしまうために,日本の報道機関は,「自粛」してしまう。・・中国の真実の姿が伝わらなくなってしまっているのである(p249)


 中国人から見ても、中国はあまり希望が持てない国のようです。なぜなら、すべてが中国共産党に支配されており、中国共産党での出世は、コネや賄賂で決まるから。中国人は,すべての人が自分や自分の家族のためにしか働かないのです


 信じられるのは、自分の家族と、仲間しかいない。自らの力で相手の足を引っ張ってでも、競争に打ち勝たなければならないのです。勝つためには何らかの利権によって自分の持っている資産の価値を高めてもらう,あるいは,海外の投資物件に投資を斡旋してもらうといった手法が行われてるというのです。


・共産党は結局実力主義でもなんでもなく,派閥やコネで大きく左右されるところです。ですから,実力はなくてもコネは強い同期や後輩が,自分より上の地位に早く出世してしまったり・・(p53)


 「渡る世間は鬼ばかり」というドラマがありましたが、日本も中国の自治区になると、そうした世の中になってしまうのでしょうか。中国人自らの手で、良い国にしていただきたいものです。


 宇田川さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・日本企業は失敗を隠す・・・ヤマハの部長がココム違反にまでなってラジコンヘリを輸出したが,中国で無人機ができたらヤマハとの取引はなくなった。バルチックカレーなどは,中国にチェーンオペレーションを導入したのち,中国で営業許可が出なくなってしまい,とうとう日本の本社も倒産してしまった(p233)


・天安門事件のような時に,中国の国民に対して平気で銃を向けられるのである。共産党の軍隊であるから共産党を守るために出動するのであって,国民を守るために出動するのではないのである(p73)


・周近平は,力のある人物を失脚させ,その後釜に,自分が福建省や上海市長であった時に親しかった人を入れるというような人事を平気で行います(p83)


・中国には『北京の人は中国を守る。大連の人は国を売る。上海の人は国を出る』という言葉があります(p38)


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【私の評価】★★★☆☆(73点)


目次

第1章 知っておきたい現代中国の身分制
第2章 中国共産党上層階級による習近平批判
第3章 企業家と都市生活者の本音
第4章 日本を哀れむ農民、反日デモを利用する黒社会
第5章 怒れる「自治区」の住民たち
第6章 なぜ日本には反日中国人しか伝わらないのか



著者経歴

 宇田川敬介(うたがわ けいすけ)・・・1969年、東京都生まれ。麻布高等学校を経て中央大学法学部を1994年に卒業。マイカルに入社し、法務部にて企業交渉を担当する。その後、国会新聞社に入社、編集次長を務めた。国会新聞社退社後、フリーで作家・ジャーナリストとして活躍。


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