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「いずれ起業したいな、と思っているきみに 17歳からのスタートアップの授業―アントレプレナー列伝 エンジェル投資家は、起業家のどこを見ているのか?」古我知史

2024/03/01公開 更新
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「いずれ起業したいな、と思っているきみに 17歳からのスタートアップの授業―アントレプレナー列伝 エンジェル投資家は、起業家のどこを見ているのか?」古我知史


【私の評価】★★★☆☆(79点)


要約と感想レビュー

起業家は変人

ベンチャーキャピタルの著者が、起業で成功している人たちの特徴をまとめています。プロ野球や投資家と一緒で、大成功している起業家は一握りです。しかし、挑戦しなければ、大成功することもないのです。


まず、起業家は変人です。ソフトバンクの孫正義氏は、起業したばかりの頃、「売上や利益を1兆、2兆と豆腐屋のように数えられる会社にすると言っていたという。ユニクロの柳井正さんも小さな洋服店を引き継いだときに、GAPを超えると言っていたのです。ジェームズ・ダイソンは、サイクロン掃除機を開発するために数千個のプロトタイプを作りましたが、楽しくて夢中になれるプロセスだったと言っているのです。


変人とは、英語でいうとパラノイア傾向のある人です。その変人的な性格をプラスに転換できた人がうまくいっているということです。


孫正義・・2017年の時点ですでに・・AIがこれまでの生活概念をすべて覆すだろう、と予言している(p47)

二人チームの生産性が高い

興味深いのは、二人で組んで起業している人が目立つことです。二人がチームとして働くほうが、三人が個人として働くよりも生産性が高いというデータもあります。


アップルは、スティーブ・ジョブズという芸術を愛する天才と、プログラムの天才スティーブ・ウォズニアックの二人で創業しています。ソニーは、天才技術者の井深大と営業マンの盛田昭夫のペアでした。盛田は営業だけでなく、資金繰りも責任を持っていたという。ホンダも技術の本田宗一郎と営業と資金繰りなどの経営全般を藤沢武夫が担当しています。


二人でペアを組むことで、それぞれの良いところを発揮しながら、弱いところをカバーしあうことができるのでしょう。


盛田さんはとにかく資金調達・・実家からたくさんお金を借りて、井深さんを支えた。だから一時期、盛田家の酒造会社が、ソニーの筆頭株主だった(p235)

起業家には未来が見えている

起業家は普通の人とは違う発想をしますが、言葉を変えれば、未来が見えていたから成功したとも言えます。ビル・ゲイツはMS-DOSをIBMに売るとき、売り切りではなく、パソコン1台につきロイヤリティをもらう契約をしました。パソコンの普及に伴って、巨額の利益がMicrosoftに転がり込んできたのです。


また、ニュース専門チャンネルCNNを創業したテッド・ターナーは、ニュースを一日中やっても売れないよと、言われていました。しかし、湾岸戦争でリアルタイムで戦況を報道し、ニュース専門チャンネルの地位を確立しました。


すべての産業が、ベンチャーからはじまっていることを考えれば、多くの起業家が挑戦する社会のほうが、革新的なサービスが生まれる可能性が高まるのだろうと思いました。古我さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・リーダーというのは、誰かが自分をリーダーに仕立ててあげてくれてはじめてリーダーになれる(p29)


・失敗することができる自由・・自分の人生のシナリオを自分で書く自由(p257)


・アメリカでは大手の書店はほとんどAmazonのせいで潰れてしまった(p174)


▼引用は、この本からです
「いずれ起業したいな、と思っているきみに 17歳からのスタートアップの授業―アントレプレナー列伝 エンジェル投資家は、起業家のどこを見ているのか?」古我知史
古我知史、中央経済社


【私の評価】★★★☆☆(79点)


目次

第1講 エンジェル投資家は、アントレプレナーのどこを見ているのか?
第2講 アントレプレナーに見るリーダーシップ
第3講 アントレプレナーの必須要件
第4講 「人格者」アントレプレナーの人格を示す「善・知・徳」
第5講 DX時代をつくるアントレプレナーたち
第6講 アントレプレナーは、たいてい共同創業者
第7講 いずれ起業したいと思っているきみへ


著者経歴

古我知史(こが さとし)・・・ウィル・キャピタル・マネジメント株式会社代表。早稲田大学政経学部政治学科卒業後、モンサント、シティバンク、マッキンゼー・アンド・カンパニーなどを経てウィルキャピタルマネジメント株式会社を設立、80社の起業、事業開発や投資育成の現場に、投資も含め、直接参画してきた。九州大学大学院客員教授、FBN(ファミリービジネスネットワーク)ジャパン理事長、一般社団法人衛星放送協会外部理事などを歴任。 橋下徹が大阪市長時代に進めていた大阪都構想に参加。大阪府市統合本部特別参与として、経済部門を担当した。 現在、県立広島大学大学院客員教授、京都大学産学官連携本部フェロー、IPOを果たしたベンチャー企業の取締役などを兼任。


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