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「いずれ起業したいな、と思っているきみに 17歳からのスタートアップの授業―アントレプレナー入門 エンジェル投資家からの10の講義」古我 知史

2023/09/14公開 更新
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「いずれ起業したいな、と思っているきみに 17歳からのスタートアップの授業―アントレプレナー入門 エンジェル投資家からの10の講義」古我 知史


【私の評価】★★★★☆(80点)


要約と感想レビュー

起業の基本

外資系メーカー、金融機関、コンサルティング会社を渡り歩き、三回独立起業にチャレンジして、現在はベンチャー投資家となった著者が教える起業の基本です。まず、あらゆる企業は、最初はすべてベンチャーだったということです。ベンチャー企業が大きくなることによって新しい商品、、新しいサービスを世の中に広めることができるのです。


もちろん起業しても多くのスタートアップは失敗に終わります。順調に大きくなっても仲間割れがおきることがあります。さらに、競争が激化して、競合が次々に参入してくることもあるでしょう。タピオカのように、急速に流行して、急速にブームが収束することもあります。もちろん一時的なブームに終わらず、大衆化する商品もあるわけです。ベンチャー企業はリスクが高いのは当然のことなのです。


創業者たちにとって、いちばん大事なことは何かというと、自分たちがつくったモノコトをいかに世の中に広めるかということ(p104)

ベンチャー企業の例

ベンチャー企業の例を聞いていると、夢があることがわかります。例えば、格安眼鏡店JINSは、創業者である田中仁さんが、韓国旅行中に激安眼鏡店がたくさんあることを知って、そのままビジネスモデルをパクっちゃた会社です。


アルバイト探しの「ジョブセンス」を運営するリブセンスは、それまで1枠50万円とかしていた求人広告を掲載料は無料で、バイトが雇えたら1万円という成果報酬型に変えたのです。H.I.S.はもともと格安航空券を売る会社として澤田さんが起業しました。その後、安く行ける自由旅行などがヒットし大手企業となったのです。


スマホで世界とつながることができたように、スマート・グラスをかけていれば、目の前の人の情報が、自動で顔認識して、表示される未来が来るかもしれないのです。


起業を志す20歳未満の優秀な若者に、10万ドルずつを与える・・ティール・フェローシップのプログラム・・2年間、学校をドロップアウトする(p296)

欧米では優秀な人が起業家になる

アメリカではグーグル、フェイスブック、アマゾンなどのベンチャー企業が世界を支配しようとしているのに、日本にはそうした企業がないことは残念なことです。特に欧米では優秀な人が起業家になって一攫千金を狙うという。


一方の日本では、創業社長は銀行から個人保証を求められ、もし失敗したら多額の負債を負わさられ敗者復活できないと聞いたことがあります。こんな時代錯誤のルールが、日本でベンチャーに挑戦する人の足を引っ張っているのではないかと感じました。


日本のベンチャー起業の環境についてもう少し調査してみたいと思います。古我さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・Easy(簡単)なものとTough(困難)なものがあったら、迷わずToughなほうを選ぶ・・朝は10時ではなく、6時に起きることを選ぶ(p25)


・手を抜くやつも一生懸命するやつも、同じ成果物の配分にあずかるという悪平等の共産主義は、納得できないということで、社会に根付かなかった(p39)


・エストニアでは、産まれた瞬間にIDが付与されて、そのIDすべてができる。給与の振り込みから決済まで、一切現金を持つ必要はない。戸籍や住民票などの身分証明もいらない。確定申告もいらない(p246)


▼引用は、この本からです
「いずれ起業したいな、と思っているきみに 17歳からのスタートアップの授業―アントレプレナー入門 エンジェル投資家からの10の講義」古我 知史
古我 知史 、中央経済社


【私の評価】★★★★☆(80点)


目次

はじめに
第1講 アントレプレナーの勧め
第2講 ベンチャーのライフサイクル
第3講 ビジョンとアントレプレナーシップ
第4講 儲けの仕組み
第5講 着眼の技法
第6講 事業機会が潜む三つの「間」
第7講 2050年、テクノロジーとスタートアップの旅
第8講 ビジョンをビジネスモデルに練り上げる
第9講 ビジネスモデルケーススタディ
第10講 エンジェル投資家の視点



著者経歴

古我知史(こが さとし)・・・ウィル キャピタル マネジメント株式会社 代表。早稲田大学政経学部政治学科卒業後、モンサント、シティバンク、マッキンゼー・アンド・カンパニーなどを経てウィルキャピタルマネジメント株式会社を設立、80社の起業、事業開発や投資育成の現場に、投資も含め、直接参画してきた。九州大学大学院客員教授、FBN(ファミリービジネスネットワーク)ジャパン理事長、一般社団法人衛星放送協会外部理事などを歴任。 橋下徹が大阪市長時代に進めていた大阪都構想に参加。大阪府市統合本部特別参与として、経済部門を担当した。 現在、県立広島大学大学院客員教授、京都大学産学官連携本部フェロー、IPOを果たしたベンチャー企業の取締役などを兼任。


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