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「できる社長の対人関係」服部真和

2023/09/13公開 更新
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「できる社長の対人関係」服部真和


【私の評価】★★★★☆(87点)


要約と感想レビュー

社長はオタク気質

行政書士として中小企業の社長さんや個人事業主、フリーランスなどの「クセつよい」人たちと、うまくやってきた著者の秘密を教えてもらいましょう。社長さんやフリーランスの人たちは、一般的に特殊的好奇心が強い人であり、特定の情報への強い関心を持ち、問題解決に対して楽しさを感じるオタク気質の人が多いという。


そのため周囲の人の気持ちを考えず、自分なりの正しい主張を発言するため、「空気を読まない人」として周囲と衝突することが多いというのです。その一方で、大企業の会社員などは周囲にあわせた発言や行動、つまり空気を読むことができて、拡散的好奇心が強い人が多いという。大切なのはこうした価値観が、人ごとに異なることを理解しながら対処していくことなのです。


・経営者同士の対人関係は衝突しあう・・特殊的好奇心が強い人は、得た情報を自分なりに整理、保有し、周囲の事情にかき乱されず、独断で目標達成に導きたい傾向があります(p41)


「客観型」か「主観型」か。「伝統的」か「革新的」か

具体的に著者は、「客観型」か「主観型」かの軸と、その人の行動が「伝統的」か「革新的」かの軸で人を見るという。客観型とは「状況に応じて変わる人」で、常に人からどう見られているかを気にし、状況にあわせ、ふるまいを変える人です。主観型は「いつでも同じように見える人」で、人からどう見られているかは気にせず、自分の価値観にしたがって行動するという。


「伝統的」か「革新的」かは新しいものへ挑戦する意欲の度合いとなります。音楽で言えば、「伝統的」はクラッシックであり、「革新的」は即興的なジャズであるという。「伝統的」であれば過去の成功例を参考とし、「革新的」であればより新しいチャレンジを志向するというわけです。こうしたタイプ別に人を見ていくと、タイプが正反対の場合は相性が悪いことが多いのです。その場合には、中間に立つ人を置いたりして、相性の悪い人がぶつかる機会を減らすなどの工夫が必要だという。


・相性の悪いタイプの前では気をつける・・クセの部分を弱める(p143)


人の性格を把握する

人の性格を把握して、組織を作ったり、人の組み合わせを考える参考になると思いました。新規事業を立ち上げるときは、大企業であれば別会社にするか社長直属のクロスファンクショナルチームを作るのは、「伝統的」な社員と「革新的」な社員がぶつからないようにする知恵なのでしょう。


また、組織において大事なのは性格の違う人たちが取り組む仕事において、価値観の違いを超越して、「意義」や「楽しさ」を見つけ出すことができるかどうかなのだと思いました。そういう意味では、既存の企業における根回しは、良好な対人関係を重視し、信頼関係構築を壊さないための必要な手続きなのでしょう。


服部さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・「この人と一緒に仕事がしたい」と思える仲間を見つける。あるいは、誰かにそう思われたいと考えることこそが、社長にとっては重要なテーマ(p4)


・言動には「オモテ・ウラ」の顔がある・・人間の「オモテの顔」を、心理学では「ペルソナ」・・ウラの顔として「シャドウ」といいます(p111)


・コミュニティをないがしろにすることは、アンバサダーのアイデンティティをないがしろにすることと同視なのです(p184)


▼引用は、この本からです
「できる社長の対人関係」服部真和
服部真和、秀和システム


【私の評価】★★★★☆(87点)


目次

第1章 孤独で多忙な経営者こそ仲間が必要だ
第2章 相手の価値観を活かして調和をはかろう 
第3章 6タイプに分類し、理解&納得を引き出す
第4章 6タイプ別攻略法 「この接し方」で口説く
第5章 タイプ別に見る「クセ立てリング」活用事例



著者経歴

服部真和(はっとり まさかず)・・・・1979年生まれ。京都府出身、中央大学法学部卒業。行政書士、シドーコンサルティング株式会社代表取締役、synclaw株式会社代表取締役、京都府行政書士会参与。ジャズギタリストと並行しながら複数の会社勤務を経て、2009年、「人と人を調和に導く」をコンセプトに行政書士事務所を開業。民泊トラブルなどに関し約 300 件の民泊案件に関わり、話し合いの合意率は100%を誇る。


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