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「クレイジーで行こう! グーグルとスタンフォードが認めた男、「水道管」に挑む」加藤 崇

2019/02/04公開 更新
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クレイジーで行こう!  グーグルとスタンフォードが認めた男、「水道管」に挑む


【私の評価】★★★★★(92点)


要約と感想レビュー

シリコンバレーの日常

アメリカ・シリコンバレーで人型ロボットベンチャーをグーグルに売り、水道管の劣化を予測するベンチャーを50.1%栗田工業に売却した著者の日常です。


商品を開発しながらカンファレンスで商品説明する。カンファレンス帰りには、メンバー全員が、自分が交換した相手先の名刺を持ち寄り、それがどんな人だったか?どんなこと興味があると話していたか?などの情報をエクセルシートに入力し、これをまとめていく。こうして作ったリストを頼りに、相手に丁寧なメールを送信し、電話会議のアポイントメントを入れていくのです。


著者は最初ロボットを売り込んでやろうとアメリカに来て、石油産業からガス産業、そして水道事業へとターゲットを変えていきながら、ロボットが機械学習を使ったデータ解析という分野に近づいていったという。さらに、客の要望を聞きながら、商品は改造され、時にはロボットから機械学習に変わっていく。そのスピードにびっくりしました。


メールと電話である程度までしっかりと話を進めて、先方との接点が明確になったところで、さらに具体的な話に進むために飛行機で先方に会いに行く。理想形は、こんな流れだろう(p135)

挑戦が好きな人を探す

面白いところは、アメリカでは大リーグと同じように「年齢にかかわらず、優秀な人(特に学歴やスキルが高い人)には平均よりも高い給料が支払われるべきである」という大前提が広く行き渡っており、また会社で働く個人個人も「他の会社のほうが給料を含めた待遇が良ければ、すぐに他の会社に移るということに、あまり躊躇がない」というのです。


また、ベンチャー企業向きの人というのは、日本にもアメリカにもどこにでもいるわけではないということです。日本よりアメリカには多いのでしょうが、人の性格はそれほど変わるものではないのです。日本でもどこかに存在する才能があるはずで、新しいことに挑戦することが好きな人を探し出すのです。


情熱のない人たちを、情熱ある人たちに変えることは難しいんだ。ただ、日本にも、加藤さんのように変わった人、情熱を持った人がきっといる・・既に日本のどこかに存在する、変わった人たち、情熱のある人たちを探すんだ(p56)

ベンチャーは時間もお金もかかる

実際のベンチャービジネスでは時間もお金もかかるので、赤字を垂れ流しながら進んでいくという。その間、投資家から預けてもらった資金で会社を運営していくのですが、投資家は、そんなには長くは付き合えないので、売り抜けてバイバイというパターンだという。


アメリカのハイテクベンチャーとはこんな感じなんだ!と感動しました。1年半でベンチャーキャピタルから資金を調達し、進んでいく。資金が出なければそこで破綻。期限の厳しい世界なのです。著者は「ベンチャーとは、つまるところ部活動のようなものであり、ある種の思い出作りなのだ」と表現していますが、成功確率の低いベンチャーの世界で、2つ会社を売却できたのは著者のセンスなのでしょうか。


加藤さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・悪い言い方をすれば、能力が足りない人でも、交渉ひとつで今の自分の年収を2倍、3倍にしてやろうといつも企んでいる・・日本とアメリカ、文化が違うのだ(p22)


・全米ガス協会のカンファレンス・・・ガス管のロボット点検サービスをアメリカ企業に売ろうとしている僕としては、参加して関係各位に顔を売っておきたかったのだ(p12)


・ランチの時間が来たら、二手に分かれよう。できるだけ大きなテーブルに割って入って、自己紹介のチャンスが来たら、立ちあがって、僕は配管点検ロボット事業をやっています!と叫ぶんだ(p13)


・心ない起業家や投資ファンドは、キャッシュフローが出る見込みも無いのに、注目されているという理由だけで、証券取引所を経由して強引な成長ストーリー(と結果として行き過ぎた株価)を個人投資家に呑み込ませようとする(p92)


・起業するってことは、君たちがこれまで経験したことがないような人生のジェットコースターに乗るようなものだ。ある日、自分には世界を征服できるんじゃないかと思うこともあれば、その数週間後には、自分の事業は破滅するんじゃないかと感じることもある(マーク・アンドリーセン)(p97)


▼引用は下記の書籍からです。
クレイジーで行こう!  グーグルとスタンフォードが認めた男、「水道管」に挑む
加藤 崇
日経BP社
売り上げランキング: 4,840


【私の評価】★★★★★(92点)


目次

2016年
4月 僕はアメリカに「日本の旗」を立てに来た
5月 時速100キロで壁にぶつかろう
6月 「アメリカで人を雇うこと」のリアル
7月 ルービックキューブ的アプローチ
8月 僕が部下のメールを添削する理由
9月 地中の水道管に腕を突っ込め
10月 「シリコンバレーの勝者」の流儀
11月 ヒューストン撤退を決断
12月 親孝行以上に大切な仕事など、存在しない
2017年
1月 スキル? 肩書? 要りません
2月 世界を変えるジェットコースターに乗れ
3月 高倉健さんの喝に背中を押され
4月 引越しは成長の素
6月 さあ、自分の未来を買おう
7月 「曖昧さへの耐性」を楽しむ
8月 スタンフォードの表彰を、母の遺影に
9月 「世界最大」を攻略せよ
10月 「小さき6000社の味方」になる
11月 目指しているのは「平均」じゃない
12月 水漏れ検査×信頼=最強の提携へ
2018年
1月 根無し草のクレイジーたちが世の中を変える
2月 さらに成長するには、この痛みが必要だ
3月 日本企業のサムライたちよ、気づいてくれ
4月 「世界2位の革新的企業」に選ばれた!
5月 CEOの「やる気」はどこから生まれるか
5月31日 栗田工業と「サムライ連合」結成!
6月 ちょっと待てよ、これは全然ゴールじゃない



著者経歴

加藤崇(かとう たかし)・・・1978年生まれ。早稲田大学理工学部(応用物理学科)卒業。元スタンフォード大学客員研究員。東京三菱銀行等を経て、ヒト型ロボットベンチャーSCHAFTの共同創業者(兼取締役CFO)。2013年11月、同社を米国Google本社に売却し、世界の注目を集めた。2015年6月、人工知能により水道配管の更新投資を最適化するソフトウェア開発会社(現在のFracta,Inc.)を米国シリコンバレーで創業し、CEOに就任。2018年5月に株式の過半を栗田工業株式会社に売却し、現在も同社CEO。現在、米国カリフォルニア州メンローパーク在住


スタンフォードの関連書籍

「スタンフォードの自分を変える教室」ケリー・マクゴニガル
「スタンフォードでいちばん人気の授業」佐藤 智恵
「スタンフォード大学 夢をかなえる集中講義」ティナ・シーリグ
「未来を発明するためにいまできること スタンフォード大学 集中講義II」ティナ・シーリグ
「クレイジーで行こう! グーグルとスタンフォードが認めた男、「水道管」に挑む」加藤 崇


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