「どうせ生きるなら「バカ」がいい」村上和雄、宮島賢也
2015/12/22公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(80点)
要約と感想レビュー
著者の一人は、親の期待どおり勉強し、医師となり、うつ病になった宮島先生です。現在は、薬を使わない(儲からない)で精神病の治療をしているバカです。もう一人は、専門家の間で「レニンには手を出すな」と言われていたレニンを研究したバカの村上先生。バカな生き方をしていると、うまくいっても、失敗しても、自分を全肯定して生きられるという。
この本でいう「バカ」とは、あるがままの自分であることを選び、やりたいことをしている人です。やりたくないことを我慢して続けるのをやめてみようというのが、この本の主張です。赤ちゃんは、「人から好かれよう」なんて思っていないのです。
その反対に「バカ」でない人とは、世間体や評価を基準に生きることです。世の中には、「お母さんが・・」「上司が・・」「友達が・・」「同僚が・・」「旦那が・・」そんなふうに、自分ではない人の意見に左右され、悩み続けている人がいるというのです。自分はその人たちではないから、その悩みは解決することはないというのです。そうは言っても、人生、そう思ったとおりにはいかないよ!という人も多いのではないでしょうか。
・まずは自分で、「やりたい」と思うものを試し、実際に「気持ちがよくなる」」と感じられたものを続けることが大切です(p203)
正しいか間違っているか、よいか悪いかよりも、自分が嬉しいかどうか、幸せかどうかでものごとを判断してみようという提案です。本当にバカでも困りますが、自分の気持ちに素直なバカになってみるのも良いのかもしれません。自分の魂が喜ぶ生き方えお選ぶのです。
もし、「バカじゃないの、やめといたら」と言われたら、辞めるかどうか、自分の心に問い直すべきなのでしょう。村上さん、宮島さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・私がうつ病になった要因をたどっていくと・・母は、とにかく「いい成績」「いい学歴」「いい地位」を得ることでしか私の価値を認めませんでした(p42)
・自分のペースで生きられないのなら、何が妨げになっているのかを考えてみましょう。だいたい、患者さんがよく言うのは、周りの目や周りからの評価、世間体、親やパートナーからの反応です・・それは自分の生き方を他者に委ねてしまっているのと同じです(p81)
・存在自体が奇跡的な生命そのものをデザインした「something great(大いなる何か)」の望みは、私たちがもっと単純に、陽気に楽しく生きることなのではないか(p160)
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【私の評価】★★★★☆(80点)
目次
第1章 頭のいい人たちがつくったこんな時代
第2章 バカの効能
第3章 世界はバカが変えていく
第4章 持つべきものは「笑われる勇気」
第5章 「すごい」より「楽しい」を大切に
著者経歴
村上和雄(むらかみ かずお)・・・ 1936年生まれ。筑波大学名誉教授。63年、京都大学大学院農学研究科農芸化学専攻、博士課程修了。同年、米国オレゴン医科大学研究員。76年、米国バンダビルト大学医学部助教授。78年、筑波大学応用生物化学系教授となり、遺伝子の研究に取り組む。83年、高血圧の黒幕である酵素「レニン」の遺伝子の解読に成功、世界的な業績として注目を集める。96年、日本学士院賞受賞。
読んでいただきありがとうございました!
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