「ニュースの"なぜ?"は世界史に学べ 日本人が知らない100の疑問」茂木 誠
2015/12/14公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(78点)
要約と感想レビュー
■テレビのニュースを見ているだけでは、
なぜ、こんなことが起こっているのか?
と、わからないことが多すぎます。
この本では、イスラム過激派(IS等)、
ヨーロッパのウクライナ問題・移民問題、
中国の野望に絞って解説しています。
まず、中東のイスラム国(IS)については、
スンナ派とシーア派の勢力図を理解する
必要があるようです。
・産油国であるサウジアラビアが自分たちの儲けを減らしてでも原油価格を下げる理由は、ISを本気でつぶすことにあると考えられます。ISがこれ以上勢力を拡大すればイランの発言権が増大するし、サウジアラビア国内の過激派に飛び火する恐れがあるからです(p158)
■そして、ヨーロッパに目をやると、
ウクライナ問題は、長い戦いの歴史の
一部でしかないことがわかります。
ウクライナの歴史は、
キエフ公国がモンゴル軍に侵略され、
その後、ポーランド領となるものの、
モスクワ大公国に併合される、と
支配者が次々と変わっています。
ウクライナが黒海と接し、
豊かな穀倉地帯を持つことが、
勢力争いの源となっているのです。
・「ヨーロッパ」は、いつ生まれたのか?・・フランク王国が西ヨーロッパを統合しました・・このフランク王国が採用したのが、西方キリスト教のローマ・カトリック教会とラテン文字(ローマ字)・・フランク王国はまもなく仏・独・伊に分裂し(p17)
■最後に、
中国の南シナ海、東シナ海への進出は、
"アジアは中国に任せる"という
過去の米中の共通認識の中から
出てきとしています。
覇権国家の地位を維持したいアメリカと、
アジアを支配したい中国の認識に、
差があるようです。
茂木さん、
良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・「昔、キッシンジャーさんが、アジアは中国に任せると言ったではないですか。中国はアメリカと戦うつもりはないので、東アジアの安全については任せてください」というのが中国の言い分です(p237)
・1990年代の江沢民政権の時代に、反日教育が本格的に始まって大成功します・・日本軍の残虐行為を延々と教え、最後に民族の解放者として共産党が登場する、というストーリーです(p227)
・中国は、「反米運動を煽る」という方法をとっています。フィリピンにもかつて米軍基地がありました。・・大規模な反米運動が起こって、「米軍基地は出て行け!」と市民が声を上げました・・フィリピンと同じことが今、 沖縄で起きようとしています(p240)
・政教分離こそが、西ヨーロッパ文明の特徴なのです・・政治と宗教が分かれているということは、王権は絶対的なものではない、ということを意味します・・実際、教皇は反抗する王たちを「破門」し、屈服させたことがあります(p35)
▼引用は下記の書籍からです。
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【私の評価】★★★☆☆(78点)
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目次
第1章 台頭するイスラム過激派と宗教戦争
第2章 ヨーロッパの憂鬱――ウクライナ問題と移民問題
第3章 アメリカのグローバリズムと中国の野望
著者経歴
茂木誠(もぎ まこと)・・・東京都出身。歴史系YouTuber、作家。駿台予備学校、ネット配信のN予備校で大学入試世界史を担当。iPadを駆使した独自の視覚的授業が好評を得ている。世界史の受験参考書のほか一般向けの著書も多数。
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