「経済は世界史から学べ」茂木 誠
2014/01/18公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(78点)
要約と感想レビュー
■過去の歴史から経済を学ぶという一冊。
ある面では正しく、
ある面では正しくないのでしょう。
まず、経済の歴史は
インフレとデフレの歴史です。
バブルもあれば、
バブルが破裂することもあるのですね。
・政府が直接、通貨発行権を握ってしまうと、紙幣の乱発によりインフレを招きやすくなります。そこで、(中央)銀行に国債を引き受けさせ、代わりに通貨発行権を独占させたのです。
■面白いところでは、貿易です。
過去には、ブロック経済という
保護主義が戦争を引き起こしました。
そうした反省に立てば、
戦争よりは経済戦争をしたほうがいい。
反対も多いと思いますが、
自由貿易を推進したほうが、
国益を考えれば望ましいのでしょう。
・イギリスのマクドナルド内閣は、イギリス連邦をカナダに集め、連邦内の低関税と域外商品に対する200%の高関税を決定・・・アメリカとフランスもこれに続いた・・・植民地の少ない日本・イタリア、植民地を没収されたドイツの工業は深刻なダメ―ジを受け、戦争による市場確保を主張する世論が高まります(p108)
■歴史が繰り返すのは、
わかっちゃいるけど、止められない、
ということもあるのだと思います。
ちょっと頭の良い類人猿である人類は、
同じ歴史を繰り返すのか、
それとも過去の反省に立ち、
新たな歴史を作るのか。
興味深いですね。
茂木さん、
良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・唐王朝は・・・「官僚機構の肥大化と軍事費の拡大→増税と民業圧迫→景気後退と貧困層の増大→農民暴動と軍の離反→王朝崩壊」というパターンは、このあと明朝、清朝でも繰り返されます(p172)
・政治家、官僚が人気とりや私服を肥やすための公共事業を行い、国力を衰退させた(p173)
・イギリスは土地がやせているため、安くておいしいフランス産穀物が悩みのタネ・・そこで、穀物輸入を制限する穀物法を制定する・・・安い輸入穀物が入ってこなくなったため、国民は飢えに苦しむ・・ジャガイモの伝染病により、飢えは悪化。何百万人の死者が出たといわれる(p99)
・輸入自由化とその影響・・・牛肉とオレンジ・・1991年に輸入自由化米(タイ米)・・・1993年に部分的に輸入自由化・・味覚や安全性の問題から消費は増えなかった(p113)
▼引用は下記の書籍からです。
【私の評価】★★★☆☆(78点)
目次
第1章 お金(1) 円・ドル・ユーロの成り立ち
第2章 お金(2) 世界経済と国際通貨
第3章 貿易 経済の自由化
第4章 金融 投資とバブル
第5章 財政 国家とお金
著者経歴
茂木誠(もぎ まこと)・・・東京都出身。歴史系YouTuber、作家。駿台予備学校、ネット配信のN予備校で大学入試世界史を担当。iPadを駆使した独自の視覚的授業が好評を得ている。世界史の受験参考書のほか一般向けの著書も多数。
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