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「テレビが伝えない国際ニュースの真相」茂木誠

2020/11/16公開 更新
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「テレビが伝えない国際ニュースの真相」茂木誠


【私の評価】★★★★☆(84点)


要約と感想レビュー

 駿台予備校の世界史講師であり世界史系YouTuberが教える国際ニュース解説です。テレビや新聞は事象を教えてくれますが、その背景や本質、歴史的解釈は教えてくれません。


 逆にマスコミは、読者を望む方向に誘導しようとさえする組織です。だから私たちは、中立的な立場からニュースを解説してくれる人が必要なのです。 


・全マスメディアが共和党候補のトランプを叩きました・・・トランプを叩いたマスメディアのバックには、スポンサーである証券会社や銀行、つまり国際金融資本がついていました。もともと世界規模で自由に商売をしたい国際金融資本は、グローバル思考の民主党を支持しています(p138)


 著者が教えたいのは歴史を見れば、国際政治というものは冷酷かつ打算的だということでしょう。アフガニスタンのタリバンがアルカイダのビンラディンを保護すれば攻撃され、終戦後うまく統治できないとアメリカは撤退する。


 アメリカはベトナムでも南ベトナムを見捨てたし、シリアでもIS掃討に協力したクルド人を見捨てて撤退した。アメリカが在日米軍基地を維持しているのは、アメリカにメリットがあるから維持しているにすぎないのです。


・アメリカは歴史上、・・・ベトナム戦争でも、最後は南ベトナム親米政権を見捨てましたし、最近では・・シリア内戦でクルド人を見捨てました。散々かき乱しておいて、うまくいかなくなったら退散する。これがアメリカという国です(p269)


 世界では争いが絶えず、大国の利害で弱者は攻撃され、見捨てられるのが国際社会の現実なのだと思いました。中国とアメリカという大国の間で日本はどのような選択をしていくのか、現実的に考えられる人を政治家として選ぶことが大事なのでしょう。


 確かにテレビが伝えないニュースの真相となっていました。茂木さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・「昭和維新!」を叫ぶ青年将校らが2・26事件を起こすと、民衆は喝采を送ったのです。現代の日本はどうでしょう。かんでもかんでも「アベが悪い」と煽ってきた一部野党の人たちがいます。ところが選挙をやってみると自民党が勝ち続け、国民が立ち上がって政権打倒の大きなムーブメントを起こさない(p205)


・日本にはスパイ活動そのものを取り締まる法律がなく、「スパイ天国」といわれています。そのような国に、ファイブ・アイズの加盟国が重要な情報を提供するでしょうか(p88)


・日本は、北朝鮮のミサイルを必要以上に恐れることはありません。日本には飛んでこないからです。なぜなら、北朝鮮にとって日本は大事な「カネづる」だからです。日本には朝銀信用組合(朝銀、現在のハナ信用組合)・・・バブル崩壊後に次々と破綻しました・・・朝鮮総連を通じて、「上納金」として推定4500億円・・・当時の小泉政権は、莫大な金額の公的資金を投入して救ってしまいました(p104)


・文在寅政権は、米韓同盟の破棄とともに、日韓基本条約の破棄を望んでいるのです。韓国はもはや「西側」ではない(p122)


・武漢市疾病予防管理センター・・・2017年と2019年には、実験中にコウモリが暴れてその血を浴びた研究者が、14日間の自己隔離を行った、という記録があります(p22)


・クルド人武装勢力がISとの闘いでアメリカ・オバマ政権の支援を受けるようになりました・・・ISが壊滅した以上、もはやクルド人に頼る必要もありません・・・クルド人を使い捨てにしたのです(p247)


・イギリスが世界の覇権争いで一人勝ちしていた19世紀、自由貿易を受け入れた国はすべて滅びるか、植民地に転落しています・・・トランプがアメリカファーストで保護貿易に舵を切ったのも、自由貿易によって安価な中国製品が流入し、アメリカ国内の工業が弱体化していたからです(p81)


・ドイツは世界経済の優等生で、通貨マルクは割高でした・・・ドイツは、イタリアやギリシアなど「困った国々」をEU内に抱え込み・・・あえてユーロの価値を落とすことによって、ドイツ製品を世界で売りまくる戦略です(p197)


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▼引用は、この本からです
「テレビが伝えない国際ニュースの真相」茂木誠


【私の評価】★★★★☆(84点)



目次

第1章 中国 覇権国家の野望とコロナ戦争
第2章 米中サイバー戦争と東アジアの危機
第3章 超大国アメリカの大転換、大統領選の行方
第4章 EU大解体とイギリスの復活
第5章 中東にくすぶる世界大戦の火種


著者経歴

 茂木誠(もぎ まこと)・・・東京都出身。歴史系YouTuber、作家。駿台予備学校、ネット配信のN予備校で大学入試世界史を担当。iPadを駆使した独自の視覚的授業が好評を得ている。世界史の受験参考書のほか一般向けの著書も多数。


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