「なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか?偏差値37のバカが見つけた必勝法」村山太一
2020/11/17公開 更新本のソムリエ [PR]
Tweet
【私の評価】★★★★★(93点)
要約と感想レビュー
完全コピー技術で腕を磨く
著者は一流料亭吉泉での3年間、イタリアではミシュラン二つ星を2店、三ツ星1店での8年間を通じて、完全コピー技術で腕を磨いてきたという。つまり、一流店の師匠の技術を完全コピーすることで短時間に成長。伝説のイタリア料理三ツ星レストラン「ダル・ペスカトーレ」ではシェフ代理にまで出世しています。
日本に帰国して自分の店を持つと、たった半年でミシュラン一つ星を獲得しています。その学ぶ技術はすごいの一言です。しかし、レストランオーナーとして一定の成功はしたものの、社員が定着しない、生産性が低いという課題が出てきました。そこで著者は脅威の生産性を誇るサイゼリヤの本を読み、サイゼリヤでバイトすることにしてみたのです。
サイゼリヤでのバイトは、アメリカのドミノピザで社長が隠れて自社の店でバイトしていた事例を参考としたようです。ドミノピザでは、社長が売上の落ちている店のバイトで実際に働いて、不良社員が隠れてピザを食べていたりする現場を知る努力をしているわけです。
「三年勤め学ばんよりは三年師を選ぶべし」・・・3年独学で学ぶより、3年かけてでもベストな師匠を探して教わったほうがいいという意味です(p76)
サイゼリヤの効率運営
サイゼリヤではムダのない動線設計、洗い物など作業の効率化により少人数でお店が運営されていました。高級レストランの常識とはかけ離れた世界に、著者は衝撃を受けるのです。
普通のレストランでは、だいたいお店が25席、スタッフが10人で顧客単価が2万円として1日1回転、原価率が35%です。1日16時間労働とするとスタッフの生産性は2031円になります。サイゼリヤは160席を5人のスタッフで、生産性は6000円を達成している店舗もあるというのです。
サイゼリヤでは、160席をたった5人のスタッフで回しています。これには人生最大の衝撃を受けました・・・ラッセは24席あったので、12人のスタッフを雇っていました(p129)
生産性4倍を達成
サイゼリヤに刺激を受けた著者は、自分の店で改善を繰り返し、従業員9人→4人、労働時間16時間→9時間半と半減で生産性4倍、経常利益8%アップ、スタッフ1人当たりの年間売上850万円→1850万円を達成したという。
さらには一流店のパワハラ体質まで完コピで問題になっていたチームの雰囲気も改善し、現在絶好調のようです。次は何を完コピするのでしょうか。元気の出る一冊ということで★5つとしました。村山さん、良い本をありがとうございました。
無料メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」(独自配信) 3万人が読んでいる定番書評メルマガ(独自配信)です。「空メール購読」ボタンから空メールを送信してください。「空メール」がうまくいかない人は、「こちら」から登録してください。 |
この本で私が共感した名言
・僕もそうでしたが、自分に厳しい人は、人に対しても厳しいところがあります・・・みんなが僕についてこれないのだと気づき、僕は手綱をゆるめることにしました。ところが、結果的にそれで成長スピードが急速に上がってきたんです(p163)
・手数料ビジネスから自由なサイゼリヤ・・・POSレジのように外部に料金を払って利用しているサービスもありますが、自社で農場や工場があるので、自前のものが多いんです。それに、サイゼリヤはグルメサイトに手数料を払っていません・・・仕組みを利用するんじゃなく、つくる側に回らないといけない・・・(p144)
【私の評価】★★★★★(93点)
目次
第1章 超速で行動するサバンナ思考
第2章 超速で成長するマヨネーズ理論
第3章 MBAより成長する休日バイト
第4章 幸せでフラットなチームが最強
第5章 読書は最強のサバイバルツール
第6章 いつの時代も夢をかなえるのはバカ
著者経歴
村山 太一(むらやま たいち)・・・「レストラン ラッセ」オーナーシェフ。1975年、新潟県十日町市生まれ。北陸学園調理科卒業後、料理の道に進む。イタリア滞在8年。三ツ星レストランの「ダル・ぺスカトーレ」で副料理長としてキッチンを采配する。無印良品有楽町店にあるCafe&Meal MUJI(ミールムジ)勤務を経て、2011年5月、東京都目黒区に「レストラン・ラッセ」をオープン、9年連続で一ツ星を獲得。 しかしレストラン経営に限界を感じ、2017年よりサイゼリヤ五反田西口店にてアルバイトを開始。
この記事が参考になったと思った方は、
クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓
人気ブログランキングへ
メルマガ[1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』] 3万人が読んでいる定番書評メルマガです。 >>バックナンバー |
|
この記事が気に入ったらいいね!
コメントする