「なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか?偏差値37のバカが見つけた必勝法」村山太一


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【私の評価】★★★★★(93点)
要約と感想レビュー
著者は一流料亭吉泉での3年間、イタリアではミシュラン二つ星を2店、三ツ星1店での8年間を通じて、完全コピー技術で腕を磨いてきたという。つまり、一流店の師匠の技術を完全コピーすることで短時間に成長。伝説のイタリア料理三ツ星レストラン「ダル・ペスカトーレ」ではシェフ代理にまで出世しています。
日本に帰国して自分の店を持つと、たった半年でミシュラン一つ星を獲得しています。その学ぶ技術はすごいですね。
・「三年勤め学ばんよりは三年師を選ぶべし」・・・3年独学で学ぶより、3年かけてでもベストな師匠を探して教わったほうがいいという意味です(p76)
レストランオーナーとして一定の成功はしたものの、社員が定着しない、生産性が低いという課題が出てきました。そこで著者は脅威の生産性を誇るサイゼリヤの本を読み、サイゼリヤでバイトすることにしてみたのです。
サイゼリヤではムダのない動線設計、洗い物など作業の効率化により少人数でお店が運営されていました。高級レストランの常識とはかけ離れた世界に、著者は衝撃を受けるのです。
・サイゼリヤでは、160席をたった5人のスタッフで回しています。これには人生最大の衝撃を受けました・・・ラッセは24席あったので、12人のスタッフを雇っていました(p129)
サイゼリヤに刺激を受けた著者は、自分の店で改善を繰り返し、従業員半分、労働時間半分で生産性4倍を達成したという。さらには一流店のパワハラ体質まで完コピで問題になっていたチームの雰囲気も改善し、現在絶好調のようです。
次は何を完コピするのでしょうか。元気の出る一冊ということで★5つとしました。村山さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・今、僕のレストランは生産性という課題を抱えている・・・結局、チェーン店の経営の手法や生産性を高める仕組みを知らないことには、現状を打破できないと思いました・・・僕は店休日や休憩時間にサイゼリヤでバイトしてみることにしました(p30)
・スタッフ1人当たりの年間売上850万円→1850万円(約2.2倍)
経常利益 8%アップ
労働時間 16時間→9時間半
従業員 9人→4人(p4)
・高価格帯レストランは、だいたいお店が25席、スタッフが10人・・・顧客単価が2万円で1日1回転、原価率が35%・・・1日16時間働いているとすると、人時生産性は2031円になります・・・・サイゼリヤはなんと倍以上の6000円を達成している店舗もあるそうです(p135)
・僕もそうでしたが、自分に厳しい人は、人に対しても厳しいところがあります・・・みんなが僕についてこれないのだと気づき、僕は手綱をゆるめることにしました。ところが、結果的にそれで成長スピードが急速に上がってきたんです(p163)
・アメリカのドミノピザは、社長が売上の落ちている店や風紀の乱れている店のバイトの面接を受けに行くそうです・・・そして、実際に働いてみる。すると、不良社員が隠れてピザを食べていたり・・・末端の気持ちを知るために自ら末端を体験しているのです(p114)
・手数料ビジネスから自由なサイゼリヤ・・・POSレジのように外部に料金を払って利用しているサービスもありますが、自社で農場や工場があるので、自前のものが多いんです。それに、サイゼリヤはグルメサイトに手数料を払っていません・・・仕組みを利用するんじゃなく、つくる側に回らないといけない・・・(p144)
【私の評価】★★★★★(93点)
目次
第1章 超速で行動するサバンナ思考
第2章 超速で成長するマヨネーズ理論
第3章 MBAより成長する休日バイト
第4章 幸せでフラットなチームが最強
第5章 読書は最強のサバイバルツール
第6章 いつの時代も夢をかなえるのはバカ
著者紹介
村山 太一(むらやま たいち)・・・「レストラン ラッセ」オーナーシェフ。1975年、新潟県十日町市生まれ。北陸学園調理科卒業後、料理の道に進む。イタリア滞在8年。三ツ星レストランの「ダル・ぺスカトーレ」で副料理長としてキッチンを采配する。無印良品有楽町店にあるCafe&Meal MUJI(ミールムジ)勤務を経て、2011年5月、東京都目黒区に「レストラン・ラッセ」をオープン、9年連続で一ツ星を獲得。 しかしレストラン経営に限界を感じ、2017年よりサイゼリヤ五反田西口店にてアルバイトを開始。
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