「生くる」執行 草舟
2015/10/13公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(83点)
要約と感想レビュー
著者は、しぎょう・そうしゅう、さん。昔は理屈で考える人だったらしい。考えて考えて、本を読んで本を読んで、その結論がこの本に凝縮されています。その結論とは、知識や理屈ではなく、人との係わり、恩と義理人情が大切であり、自分の使命を生きるということです。
自分の使命を生きようとすると、それなりの大きな反作用という壁が出現してきます。そうした壁を恐れてはならないという。そうした壁が出てこない人生は、作用がない人生、つまり生ける屍のような人生なのだというのです。
・理解しようとするな、わからぬままに、突き進むのだ。(p11)
愛が理屈ではないように、使命とは理屈ではないのです。自分という宿命を受け入れ、自分のやるべきことをなす。若いときには、他人と自分を比べて、気持ちが不安定になることもあると思いますが、自分の人生を生きればいいわけです。
そして他人から精神的な傷を受けたら、恨みとして強く心に刻みつつ、暴力的報復ではなく、見返すエネルギーに転換することが大事だという。やられたらやり返す。必ず報復しなければなない。それは相手を凌駕し、それを相手に見せつけることなのです。
・私は自分なりに自己の宿命を深く認識し、それをよしとして、初めて自分の人生を歩み出すことができた・・・他人と比較さえしなければ、宿命の認識は誰にでもできる(p278)
深い一冊でした。私もあと10年経てばわかるような気がしました。執行さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・貪(むさぼ)りは、与えられ続けていることをわからぬ幼児性から起こる・・・最初は一回一回、他人から受けたものに対してけじめをつけるのが一番良い(p107)
・世間体を良くするとは、世間の恩恵に対して、自分も世間の一員として恩返しをすることを意味する(p229)
【私の評価】★★★★☆(83点)
目次
理解しようとするな、わからぬままに、突き進むのだ。―わからぬがよろしい
読書とは、歴史と自己が織りなす、血と魂の触れ合いである。―読書論
人がいて、初めて学問があった。人が去れば、技巧と堕する。―「学」とは何か
心の深奥に棲むものがある。我々は、それに魅入られている。―真実とは何か
人の情は切ない。ゆえに無垢なる心がふるえるのだ。―一片の赤誠
自由に見えるものは消え失せるが、制約は創造性を引き寄せる。―制約の有難さ
科学とは、試論にすぎない。―科学的の幻惑
本物を求めてはならない。恋焦がれ、想像するのだ。―本物にもの申す
礼は科学である。目に見えぬものと対峙する東洋の叡智なのだ。―礼について
死を想え、貫くものを見なければならない。―貫くということ
著者経歴
執行 草舟(しぎょう そうしゅう)・・・1950年、東京生まれ。立教大学法学部卒業。著述家、健康食品販売。独自の生命論に基づく生き方を提唱・実践。また美術事業も展開し、執行草舟コレクション主宰、戸嶋靖昌記念館館長を務める。
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