「会社を変える会議の力」杉野 幹人
2014/10/15公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(76点)
要約と感想レビュー
何も決まらない会議
経営コンサルタントが教える会議の在り方です。著者の定義する悪い会議は、「何も決まらない会議」。これは会議ではなく、連絡会になっているということです。会議で何も決まらないと言われますが、現実には、何も決まらないというより、決められないだけなのかもしれません。
そしてもう一つの悪い会議は、目的が的外れな会議です。部長は、実効性のある対策を求めているのに、会議では精神的な対策を議論している。社長は、2、3年で成果の上がる新規事業を求めているのに、10年、20年先を見た新規事業を議論している。こうした的外れな議論は、目的を確認しないことから起こるのです。
・ダメな会議の病巣の一つは、「会議の目的の不在」にある(p75)
部分最適の会議
また、各部門が自分たちに都合のよい議題を作ることがあります。つまり、その議題自体が組織の全体最適になっていないのです。同じように、資料を作成した部門の担当者が結論を決めてしまっていることがあります。このため、一見するとその結論がベストに見えるのですが、代替案の存在がわからないような資料となっている場合があるのです。
このような会議の問題の原因の一つは、ホチキスアジェンダであるという。つまり、会議の責任者と事務局が自分で議題を考えるのではなく、会議の参加者が提出した議題をそのまま取りまとめて議題にしていることに問題の本質があるというのです。
ビジョンを現場が考える会議
さらに、中長期のビジョンを現場の若手社員が考えて、それを議論して修正して作っている会社が多いという。そもそも会社のビジョンを考えるのは経営者自身のはずであり、下から上がってきた資料にちょっと助言をするだけのお神輿型経営者が大企業には多いのでしょう。また、そうした人が出世する構造になっているのです。
確かにそうだよなと思いながら、でも実際には難しいんだよなと思いながら読んでいました。こうした点を意識しながら、会議を行うことがより良い会議に繋がるのでしょう。杉野さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・連絡会と報告会は、ネットで代替できないかという観点で見直せる(p51)
・会議とは「組織における問題解決の装置」(p29)
講談社
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【私の評価】★★★☆☆(76点)
目次
第1章 なぜ会議はダメなのか
第2章 会議と会議モドキ
第3章 会議の「目的」を考える ダメな会議1
第4章 会議の「議題」を考える ダメな会議2
第5章 会議の「資料」を考える ダメな会議3
第6章 会議の「メンバー」を考える ダメな会議4
第7章 本当の会議
著者経歴
杉野幹人(すぎの みきと)・・・A.T. カーニーマネージャー。東京工業大学工学部卒。INSEAD MBA修了。早稲田大学商学研究科博士後期課程修了。博士(商学)大学卒業後、NTTドコモに就職。シリコンバレーで仕事を共にした500人以上の起業家のプレゼンや提案資料から、箇条書き(Bullet points)で短く魅力的に伝えることのパワーとその技術を学ぶ。世界最高峰のビジネススクール、INSEADでMBAを修了後に、グローバル経営コンサルティングファームのA.T.カーニーに入社し、経営戦略、マーケティング戦略、新規事業、経営会議運営支援等の幅広い経営コンサルティングプロジェクトを手掛けている。
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