「モチベーションで仕事はできない」坂口 孝則
2013/09/27公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(79点)
要約と感想レビュー
成功への道に「やる気」はないという一冊です。ここでいう「やる気」とは、お酒を飲んで元気になるような一時的な「やる気」です。例えば良い本を読んで「やる気」が出たとしても、次の日には元に戻ってしまう人のことです。
プロフェッショナルは、安定して80点の品質をお客に約束できる人のことであり、時々100点をとれるとしても50点、40点があっては失格なのです。常に期待を裏切らない、一貫性が必要なのでしょう。
・調子がよく、モチベーションに溢れているときに100点をとる社員よりも、平均的に70点をとる社員のほうが圧倒的にリスクは少ない(p20)
だから坂口さんは、たんたんと仕事をすることを勧めています。たんたんとしながらも、できれば自分を仕事で追い込んでいく。追い詰められれば、仕事を効率的に処理しなくてはならないし、悩んでいるヒマはないのです。
具体的には、締め切りを設定するのです。ちなみに著者は朝、職場に到着すると、一枚の紙にその日にやることを記載するという。つまり、仕事の開始時間と、終了時間を書いているのです。同じように3年も追い込めば、あなたは成長していることに気が付くでしょう。
・「私がやります」ということだ・・・つねにテンパッているくらいがちょうどいい。(p174)
「やる気」は必要ですが、短期的な「やる気」は悪なのですね。「やる気」を出すなら、習慣化された「やる気」が必要なのです。面白い角度からの「やる気」分析だと思いました。
坂口さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・会社にあふれるものは神でもなければ鬼でもない。嫉妬にまみれ「ほんとうの自分」なるものを探し続けるただのひとたちである。ただのひとがつくった会社が住みにくいからとて、移る会社はあるまい。(p37)
・ある時点で「やりたくない」ことのなかから、将来的に「やりたい」ことが出てくることがある。・・・「ほんとうは自分はこれをやりたかったんじゃないか」と思い込むほどだ。(p78)
・心が折れてしまったときは、
1.仕事がうまくいかない原因を解明し、それを一つひとつ改善していく
2.自分ではどうしようもないことは時が流れるのを待つ
3.環境を変える(p153)
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【私の評価】★★★☆☆(79点)
目次
第1章 今日もモチベーションがあがらない
第2章 なぜ世の中は「やりがい」を強いるのか
第3章 やりたい仕事か、金になる仕事か
第4章 やる気が出ない自分をつき動かす技術
第5章 成果を出し続ける人の8つの習慣
第6章 絶望の国で生きていくための心得
著者経歴
坂口孝則(さかぐち たかのり)・・・未来調達研究所所長、株式会社アジルアソシエイツ取締役。大阪大学経済学部卒業後、メーカーの調達部門に配属され、調達・購買・原価企画を経験。現在は、同領域のコンサルティング、研修講師に従業。メールマガジン「ほんとうの調達・購買・資材理論」執筆者。著作に『牛丼一杯の儲けは9円』(幻冬舎新書)、などがある。
読んでいただきありがとうございました!
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