「激安なのに丸儲けできる価格のカラクリ 10円缶コーヒーでもなぜ利益が出せるのか?」坂口孝則
2011/03/27公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(80点)
要約と感想レビュー
世の中のビジネスには、儲けのカラクリがあります。ビジネスには、費用(固定費と変動費)があり、それらを売上で回収し、利益を上げるわけです。そうした構造を理解し、個別の業務を判断していくのが、経営者ということなのでしょう。いかに固定費を回収していくのか。値段は?販売方法は?経営者として考えるべきことが、わかる一冊です。
この本では、ノートパソコン、ハンバーガー、ホテル、ディズニーランド、高級料理店、おにぎり、携帯の通信料、宝石、ブランドバック、マンションなどの利益構造を解説してくれます。例えば、変動費の大きいノートパソコンであれば、売値が26万円としてメーカーは家電量販店に18万円程度で卸し、その利益は一台当たりたったの1.5万円で実際には4500円程度しか儲からないという。
逆に変動費の小さいIT企業のポータルサイトであれば、サーバーや人件費などの固定費を回収するために自分たちのポータルサイトに人々を誘導することが第一となります。そのためにIT企業の社長たちは、自分の顔をマスコミを通じてPRしているのです。
こうした商売のカラクリがわかってくると、「マンション投資」や「不動産投資」を勧めてくる業者が、人のに勧めたいほどの「絶対儲かる商品」であるはずなのに、なぜ自社で投資をしないのだ、という疑問が出てくるだろうと著者は言うのです。
坂口さん、よい本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・アメリカのモノ好きに、日本のレコードを販売する・・・倒産したレコードショップに軽トラックで行っては、二束三文でレコードを買い集め、それを写真に取ってeBayに載せる(p23)
・キロ当たり1000円の食肉を考えてみる・・・マイナス25℃ほどで、ちゃんとした冷凍を施していれば、1年は食用として耐えうる・・・消費期限が迫ってくるに従って、どんどん安くなっていく(p49)
・私の知っている企業では、社員が乾電池を捨てたときに、その残量をチェッカーで調べて、規定以上残っている場合は、その社員の名前を公表・・・「それであれば、社員のゴミも調べて、使えるものがないかチェックしたらどうでしょうか」と皮肉を申し上げたところ「いや、それはもうやっています」と聞かされた(p219)
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【私の評価】★★★★☆(80点)
目次
第1章 なぜマクドナルドのハンバーガーだけは100円なのに儲かるのか?
第2章 ディズニーランドは、お客に夢と何を売っているのか?
第3章 なぜJALや家電量販店はポイントを乱発するのか?
第4章 すべての価格には、企業の見えざる意図が隠れている
第5章 バラしてはいけない商売の裏手口
第6章 お客の来ないスナックがつぶれない理由
著者経歴
坂口孝則(さかぐち たかのり)・・・未来調達研究所所長、株式会社アジルアソシエイツ取締役。大阪大学経済学部卒業後、メーカーの調達部門に配属され、調達・購買・原価企画を経験。現在は、同領域のコンサルティング、研修講師に従業。メールマガジン「ほんとうの調達・購買・資材理論」執筆者。著作に『牛丼一杯の儲けは9円』(幻冬舎新書)、などがある。
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