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「営業と詐欺のあいだ」坂口 孝則

2010/10/14公開 更新
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営業と詐欺のあいだ (幻冬舎新書)


【私の評価】★★★★☆(88点)


要約と感想レビュー

 企業において購買を担当する著者が、営業テクニックと悪徳商法のテクニックを教えてくれる一冊です。正反対のような二つですが、本質的に似たようなものになり、そこに面白さがあるのでしょう。


 まず営業のテクニックとして紹介しているのは、とにかく相手のためを思っているということを演出する。それによって、できるだけ商品を手に取らせる。手に取らせることによって、商談を長引かせるという方法です。


 でも、やはり面白いのは、悪徳商法のテクニックでしょう。質問を繰り返す。(結論を先に言え!)メリットを強調する。(じゃあお前が買えよ!)今買わないと損をするという。(損していいよ!)


 よく自宅に電話がかかってきますが、何を売りたいのか言わずに、「インターネットお使いですか?」とか質問を繰り返す会社は多いですね。(マニュアルがそうなっているのでしょう)


・悪質商法の買わせるテクニックの中で最も有効なのは、「なぜ買わないのですか?」とひたすら訊くことだと言います。(p141)


 やはり売れる人の共通点は、買い手のメリットを強調することでしょう。ダメな人は、とにかく自社製品を詳しく語るだけなのです。すぐれたセールスマンはお客に「メリット」を伝え、「信頼」させ、「価格」を伝えるのです。


 営業マンには営業のテクニックが、普通の人には悪徳商法につかまらない秘訣が参考となる一冊だと思います。でも悪用しないでください。坂口さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・人を褒めるテクニック・・・
 1 正面から褒めるのではなく、他者からの伝聞として褒める
 2 相手の自尊心を理解する
 3 相手の言ったことを覚えておく(p84)


成功法則を売っている成功者は、成功法則を売ることによって成功している、という事実を忘れないほうがよいでしょう。(p106)


・善人として生きることは多くの場合、その人のまわりに幸福を呼び寄せます。そして、詐欺師たちもしのび寄ります。(p126)


・非礼には非礼で返すしかない、ということも覚えておきましょう。あまりに失礼な売り手がいたら、「警察を呼びますよ」ではなく、本当に呼んでしまってください(p196)


営業と詐欺のあいだ (幻冬舎新書)
坂口 孝則
幻冬舎
売り上げランキング: 783


【私の評価】★★★★☆(88点)


目次

第1章 交渉術―世界一のセールスマンが考えているたった一つのこと
第2章 コールドリーディング―OLが絶対に外れない占い師に大金をつぎ込むまで
第3章 ウェブ販売・コピーライティング・マーケティング―目立ちたがり屋資本主義の行く先
第4章 悪質商法・押し売り―最高の知性が罠にかかるとき
第5章 マインド・コントロール―洗脳天国、幸福はいつも未知なもの
第6章 撃退法―売り手はあなたを知的ゲームに誘っている



著者経歴

 坂口孝則(さかぐち たかのり)・・・未来調達研究所所長、株式会社アジルアソシエイツ取締役。大阪大学経済学部卒業後、メーカーの調達部門に配属され、調達・購買・原価企画を経験。現在は、同領域のコンサルティング、研修講師に従業。メールマガジン「ほんとうの調達・購買・資材理論」執筆者。著作に『牛丼一杯の儲けは9円』(幻冬舎新書)、などがある。


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