「ヤクザと原発 福島第一潜入記」鈴木 智彦

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ヤクザと原発 福島第一潜入記

【私の評価】★★★☆☆(72点)


■暴力団専用ライターが、事故のあった福島第一発電所で
 実際に働いてみたという潜入取材ルポです。


 読んだことのある部分もあったので、
 週刊誌の記事をまとめた本なのでしょう。


 そういう意味では、
 中身は週刊誌レベルで楽しめます。


・九州の原発・・・反対運動なんてないだろう。
 反対って、いったいどこが反対するのか分からない。
 電力会社っていうのはどこでも殿様商売っていうか、
 城下町を作っている。なんだかんだで九州電力関連の
 仕事しているもんが多いだろうから、
 反対運動はお約束ってことだ(p243)


■実際に作業しただけあって、
 現場のたいへんさがわかります。


 熱中症になってしまうこともわかる。


 放射能管理の実態もわかる。


 思ったより給与が安いこともわかる。


 ヤクザがいることもわかる。


 作業の下請けの構造がわかる。


 日本の社会構造さえも
 透けて見えるのです。


・熱中症・・・下請け、孫請け、ひ孫請け・・・さらには
 7次、8次と続くヒエラルキーの中、ピラミッドの底辺に向かうほど
 現場での発言力は弱くなり、それに比例して無自覚に
 SOSをためらってしまうのだ。不満があってもたいては
 それを飲み込むしかない(p187)


■今も福島第一発電所(F1)で、
 作業が続けられています。


 まだ線量の大きなところも残っており、
 作業の厳しさは変わっていないはずです。


 作業する人のためにも、
 地元の人のためにも、
 日本のためにも、
 最悪を想定しながら、
 対応していただきたいですね。


 鈴木さん、
 良い本をありがとうございました。


━━━━━━━━━━━━━━━━━


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・政府は、1Fに限り、年間被曝量の上限を250ミリシーベルトに
 引き上げた。が、これは素人丸出しの危険な数値のため、
 現場では嘲笑され、完全無視である。・・・プラントメーカーは
 それぞれ、100ミリ、50ミリ、25ミリの上限を再設定
した(p62)


・泊の線量なんて自然界より低い。
 福島の線量は馬鹿みたいな数値だ。
 それに暑い。早く仕事を終えて北海道に帰りたい」
 (バスで隣席となった北海道在住の作業員)(p180)


・事故前、1Fでは最大130カウントから180カウントが
 汚染のリミットだったという。それ以上汚染したものはすべて、
 敷地内から出せなかったのだ。・・・
 Jヴィレッジではつい最近まで、1万3000カウントを
 超えない限り、モノも人も、そのまま出していた。(p255)


・アレバとキュリオンとうい外国勢主体で設置が進められた
 汚染水処理装置は、あちこちで汚染水漏れを起こし、
 作業を中断させていた・・・ネジを締めるにしても雑なんです
 ・・・日本だったら接合部から漏れがないようシールテープを
 巻くんですけど、そのまま締めてあるだけ(p191)


・東電の案内でJヴィレッジを視察したところで、
 現場の実態が分かるはずもない。その程度の実感で
 ヒステリックに「作業員を守ろう」と正論を振りかざしても、
 作業の足枷になるだけだ。(p224)


・暴力団直系の右翼団体は、政治結社の名を借りた別働隊だ。
 暴力団は自分たちが寄生する"日本の矛盾"を払拭しようとする
 改革を毛嫌いする。大阪のダブル選挙では、ほとんどの暴力団が 
 反橋下知事のスタンスだった。あちこちから
 橋下知事のスキャンダルを探してくれと依頼があり・・(p16)


ヤクザと原発 福島第一潜入記
鈴木 智彦
文藝春秋
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【私の評価】★★★☆☆(72点)

■目次

序章 ヤクザの告白「原発はどでかいシノギ」
第1章 私はなぜ原発作業員となったのか
第2章 放射能vs.暴力団専門ライター
第3章 フクシマ50が明かす「3・11」の死闘
第4章 ついに潜入!1Fという修羅場
第5章 原発稼業の懲りない面々
終章 「ヤクザと原発」の落とし前


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