「だまされたらあかん保険の裏カラクリ」青木 雄二
2012/08/28公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(75点)
要約と感想レビュー
保険も書籍と同じように、売っている商品はどこでも同じです。つまり、生命保険では死亡する確率から保険金が決まるわけですから、ほぼ掛け金は同じと考えてよいのでしょう。あえて差があるとすれば、その保険会社が10年、20年後に破綻する可能性があるかどうか、その確率に差があるということでしょう。
この本では保険会社の安定性の指標であるソルベンシー・マージン比率に問題がなかったのにかかわらず、多くの保険会社が破綻していることを指摘しています。保険会社の経営状況を外部から把握するのは、難しいということなのです。
・ソルベンシー・マージン比率は、通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」・・・200%を上回れば、安定的経営を維持する基準を満たしていますよ」と言われてきたのに対し、経営破綻した千代田生命や東京生命、協栄生命なども300%をこえるソルベンシー・マージン比率を発表していた(p161)
商品が同じとすれば、あとはどの会社のどの商品を選ぶのか、ということです。ここはコンサルティング的な要素が必要となります。とすれば、営業マンの能力・資質・人柄で選んでいいのかもしれません。
・あくまで「人」にこだわるべき。売ってる保険商品は元を正せば皆同じなんやで(p189)
保険についての考え方の基本を教えてくれる一冊でした。これから保険に入ろうという人は、最低限これくらいの知識は必要だと思います。青木さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・保険は身を守るためのもの・・決して「得をする」ためのものやない。だから「今、保険に入ると得ですよ」などとニヤついて話しかけてくる営業マンがいたら・・そんなのは端から信用したらいなんのです(p16)
・虚偽の説明やら不完全な説明をオバチャンにさせないよう、自己防衛するしかないわけです。例えば、オバチャンや営業マンの売り文句をすべて録音するとか・・・アメリカではひとつの保険に契約するだけで、書面に100ヶ所以上もサインをするらしい(p31)
・生保の営業マンは・・・1000万稼いでても、経費で半分くらいの金額は使ってしまうというんですな。社名入りのボールペンは50円で100本単位の購入・・カレンダーは90円で100冊単位。(p45)
・営業マンの平均勤続年数は5~6年と聞きます・・・5年以上この世界で営業職をやっている人は、かなりの実力者だと考えていい(p58)
・ある保険を例にとると「月々たったの2000円から」という宣伝文句は、加入してから2年間は支払った金額分しか補償されないものがある・・・何度も言うけれども、保険は確率や。(p83)
・保険金殺人・・・何でもいいから会社を作ります・・幽霊会社でいい。その上で、ターゲットとなる人を勝手に社員にしてしまい、保険に入れてしまうんですな。(p123)
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【私の評価】★★★☆☆(75点)
著者経歴
青木雄二(あおき ゆうじ)・・・1945年、京都府生まれ。岡山県の工業高校土木科を卒業後、神戸市の鉄道会社に入社。3年で退職し地元・岡山の米南町役場の職員になるが、数ヵ月で退職。その足で大阪に出て、ビアホール、パチンコ店、キャバレーのボーイなど30種類以上の職を転々。その間暇を見つけては漫画を描き、出版社に投稿した。「アフタヌーン」(講談社)で漫画賞を受賞したのをきっかけに、1990年、兄弟誌「モーニング」(同)で代表作「ナニワ金融道」を連載開始
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