「フォーカス―市場支配の絶対条件」アル・ライズ
2011/08/23公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(83点)
要約と感想レビュー
著者が指摘するように、企業は多角化に走りがちです。まったく異なった業態の企業を買収したり、製品ラインナップを増やしたりするのです。これは自分の代で成果を出したいという経営者への強い誘惑なのでしょう。
・88年から94年までの六年間に、バド・ライトは500万樽売れた。だがその間、バドワイザーは700万樽失ったのである。・・・ラインを拡大すればブランドの勢いが失われるのはたしかである。(p22)
多角化の結果得られるのは、新製品の売り上げですが、本体のほうが不調となるケースが多いようです。
多角化することで、仕事を知らない人が幹部になってしまう、管理のための管理が増えてしまうのです。企業イメージも希薄化してしまうのです。
・ものをいうのは、品質ではない、品質イメージである・・・品質イメージをよくするには、専門化すること(p115)
企業にとって事業をフォーカスする、製品をフォーカスするというのは、縮小戦略のように見えますが、実は強化戦略なのかもしれません。フォーカスすることによって、企業は強くなるのです。翻訳がめちゃくちゃでしたが、内容で評価しました。
リースさん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・だれを昇進させるかというときに、トップが犯す二つのまちがいがある。「成績」で昇進させることと、「人格」で昇進させること、である。どちらも、うまくいかない。・・・部下たちに彼らの問題をいちばんうまくリードする人間はだれか、聞くことである。(p94)
・フォーカスのない企業の大きなマイナスは・・・マネジメントの対象を増やさなければならないことである・・・スタッフがしょっちゅう数多くの情報を要求する。これがまたばかにならない時間の無駄になる(p96)
・全体をねらうな、部分をねらえ(p149)
・スピンオフした部門は、たいてい儲かる企業になる・・・
1幹部たちがそのビジネスをよく知っている、
2成功への絶大な動機がある
3フォーカスがはっきりしている。(p201)
・売上の90%が、繰り返しやってくる10%のお得意様であげられている(p64)
・世界最大のスナック会社フリト・レイのほか、全米最大のファースト・フードのチェーン七社のうち三社までがペプシのものである。・・・ピザ・ハット・・・タコ・ベル・・・KFC・・・ペプシの評価額は440億ドル、小さいほうのコカコーラは930億ドルである。(p90)
ダイヤモンド社
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【私の評価】★★★★☆(83点)
著者経歴
アル・ライズ(Al Ries)・・・「ポジショニング」という新しい概念を提唱し、マーケティング界に一大旋風を巻き起こして以来、世界屈指のマーケティング戦略家として活躍。アル・ライズは現在、ライズ&ライズ社を経営。
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