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「売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則」アル・ライズ, ジャック・トラウト

2022/03/17公開 更新
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「売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則」アル・ライズ, ジャック・トラウト


【私の評価】★★★★☆(81点)


要約と感想レビュー

製品ラインの拡張は長期的には売上を減らす

1994年初版と古い本です。「星野リゾート」の星野佳路(よしはる)氏が、教科書として実際の経営に活用した一冊として紹介されていた本なので、購入してみました。


星野氏は地ビールがブームとなった1996年に、米国留学時代に大好きになったエールビールで地ビールビジネスに参入することにしました。製造した「よなよなエール」はブームに乗って売上を伸ばしますが、2000年頃になるとブームの終焉とともに売上がだんだん下がり、赤字が続くようになってしまいました。


赤字になると売上を増やすために、広告を出したい、ドライビールを作りたいなど社員から提案がどんどん出てきます。星野社長は、唯一「よなよなエール」の味だけは変えないことにしていたと証言しています。その理由は、この本に「製品ライン拡張の法則」として、製品ラインの拡張は、短期的には売上増となるが、長期的には売上を減らしてしまうと書いてあったからです。


製品ライン拡張の法則・・・ラインの拡張は効果が上がらないという圧倒的な証拠がある(p128)

製品ラインを絞る

製品ラインの拡張が長期的に売上を減らすのは、そのブランドや商品が消費者に与える印象が分散してしまうからでしょう。例えば、エールビールの味で勝負していた「よなよなエール」にドライやライトなどいろいろな味が出てくると、継続的に買ってくれる濃いファンを作れなくなってしまうのです。最終的に「よなよなエール」は、通信販売によって売上を増やし、増収増益を続けています。


その分野で一番になる、顧客に一つの言葉を植え付ける、製品を絞る、といったマーケティングの法則は、つまり自社の商品をブランドとして確立するということなのでしょう。


会社が見込み客の心の中に一つの言葉を植えつける方法をみつけることができれば、信じがたいほどの成功を収めることが可能である・・・これが「集中の法則」である(p50)

クーポンが売上げを伸ばすという証拠はない

古い本ですが、物理の法則と同じように、マーケティングの法則があるのだと感じました。この本では、クーポン付き販売が長期的に売上げを伸ばすという証拠はないと断言し、クーポンとは麻薬のようなもので、禁断症状が苦痛なので続けているだけと断罪しています。


わかっちゃいるけど、製品ラインを増やしたり、クーポンで割引したりしてしまうという現実があるのでしょう。マーケティングをもう少し学びたくなってきました。アル・ライズさん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・あるカテゴリーで一番手になれない場合には、一番手になれる新しいカテゴリーを作れ(p23)


・シアーズローバックはなぜ経営困難に陥ったのか。その理由は、同社がすべての人の、すべての要望に応えようとした点にある(p129)


・歴史の教訓によれば、マーケティングにおいて実効を上げうる唯一の行動は、一回きりの、大胆な一撃である(p165)


・失敗の法則・・・日本人は過ちを犯さないのではなく、犯した時にはすぐさま認め、必要な手直しを加え、そしらぬ顔でまたやってくる(p193)


▼引用は、この本からです
「売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則」アル・ライズ, ジャック・トラウト
アル・ライズ, ジャック・トラウト、東急エージェンシー出版部


【私の評価】★★★★☆(81点)


目次

第1章 一番手の法則
第2章 カテゴリーの法則
第3章 心の法則
第4章 知覚の法則
第5章 集中の法則
第6章 独占の法則
第7章 梯子の法則
第8章 二極分化の法則
第9章 対立の法則
第10章 分割の法則
第11章 遠近関係の法則
第12章 製品ライン拡張の法則
第13章 犠牲の法則
第14章 属性の法則
第15章 正直の法則
第16章 一撃の法則
第17章 予測不能の法則
第18章 成功の法則
第19章 失敗の法則
第20章 パブリシティの法則
第21章 成長促進の法則
第22章 財源の法則



著者経歴

アル・ライズ(Al Ries)、ジャック・トラウト(Jack Trout)・・・「ポジショニング」という新しい概念を提唱し、マーケティング界に一大旋風を巻き起こして以来、世界屈指のマーケティング戦略家として活躍。アル・ライズは現在、ライズ&ライズ社を経営。トラウトは現在、トラウト&パートナーズ社社長。


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