「日本への遺書―生き残り特攻隊員が綴る慟哭の書」田形 竹尾
2011/06/13公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(72点)
要約と感想レビュー
日本のために死んでいった多くの仲間がいた
大正生まれ。陸軍でパイロットとして日中戦争、太平洋戦争を経験した田形さんの一冊です。田形さんが言いたかったのは、日本のために死んでいったたくさんの仲間がいたということです。そもそもパイロットの死亡率は、平時で三割、戦時で八割と高く、パイロットは命令ではなく、全員志願制であったというのです。
出撃の命令が出ると、著者は生きて帰れる可能性は小さいと知りながら「はい!」と笑いながら答えたという。祖国防衛という使命のために命を捨てるつもりだったのです。
・朝鮮人は、志願しなければ、軍人にも特攻隊にもならなくてよいのに、どうして志願したのだ」「教官殿。私も日本人です。また、愛する朝鮮を守るために、志願したのです」(p83)
世界から尊敬される日本を建設できたのか
私は、特攻隊については、戦術として合理性を認めませんが、何もない状況では、それしか方法がなかった。効果が小さくても自分たちにできるのはそれしかなかったのかもしれません。体育館で寝泊りして弁当を食べて、命をかけて文句もいわず作業している福島第一の作業員と重なりました。
特攻隊の人たちの残した遺書には「私たちは、特攻隊として、喜んで死んでゆきます。生き残った青年が、立派な、世界から尊敬される、日本を建設してくれると、信じています」と書いてあります。私たちは立派な「日本を再建しました」と、自信をもって報告できるであろうかと著者は問うのです。
・ただ、今願うは空母撃沈のみ。お父さん、さようなら。お母さん、さようなら。お母さんの写真を抱いて、喜んで死にます。御安心ください。それでは、辻家皆様のご健勝とご幸福を祈って、われ出撃す。(p185)
南京では市民が協力してくれていた
著者は「東京裁判」で断罪されたような残酷な事件があれば、南京市民があのように私たちに協力し、温かく接してくれなかったろうと言っています。南京では治安が保たれて、一人で外出しても何の危険も感じなかったという。また、「支那事変」「大東亜戦争」において、米軍の日本本土爆撃の「無差別攻撃命令」と同じ非人道的な攻撃命令を受けたことは一回もないと言っています。
日本は信義を重んじる国なのだと思います。負けると思っても、経済封鎖されれば、戦いを選ぶ。実効性がないとしても、京都議定書を批准し、約束だから排出権に数千億円を出す。命をかけて信義を守るのがそれが日本人であり、先輩たちがつくり上げた国家なのでしょう。
私たちも日本人として自分のできる範囲で、日本を作っていかなくてはならないのだなと感じました。田形さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・「支那事変」「大東亜戦争」当時、アジアで完全な独立国は日本とタイの二ヶ国であった。(p94)
・「日タイ同盟」・・・この同盟は、戦況が不利となり、日本の無条件降伏まで続いた。特に、軍人の祖国帰還に対しても積極的に協力し、「信義」を貫いたタイ国とタイ人への感謝を、日本人は忘れてはならないと思う。(p103)
・日本が、国家の命運を賭けて戦った大東亜戦争によって、長い間苦しんだ植民地から開放され、アジアにたくさんの独立国家が生まれた。しかし、お母さんの日本は、難産のため、危く死にそうになった。日本は、身を捨てて仁をなしたのである。日本が悲壮な覚悟で解放戦を開始した、十二月八日を忘れてはならない(タイ国元首相クリリット・フラモード氏)(p104)
日新報道
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【私の評価】★★★☆☆(72点)
目次
第1章 航空特攻「生」と「死」の悟り
第2章 航空特別攻撃隊への道
第3章 人間特攻教官の苦悩
第4章 アジアの欧米植民地
第5章 航空特攻作戦の終幕
終章 世界平和のために
著者経歴
田形 竹尾(たがた たけお)・・・1916年〈大正5年) - 2008年〈平成20年〉3月10日)は、日本陸軍航空隊の戦闘機操縦者(パイロット)。反共右翼団体「日本革命菊旗同志会」幹部。晩年に日本文化チャンネル桜設立発起人、設立後顧問。「誇りある日本をつくる会」初代会長。
特攻隊関係書籍
「日本への遺書―生き残り特攻隊員が綴る慟哭の書」田形 竹尾
「不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか」鴻上 尚史
「今日われ生きてあり :知覧特別攻撃隊員たちの軌跡」神坂 次郎
「特攻基地知覧」高木 俊朗
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