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「特攻基地知覧」高木 俊朗

2009/05/13公開 更新
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【私の評価】★★★☆☆(70点)


要約と感想レビュー

軍部が頑張っていることをPR

鹿児島県南九州市の知覧町に、知覧特攻平和会館があります。戦時中、知覧に陸軍の飛行場があり、ここから陸軍の特別攻撃隊が出撃していったのです。この本では、取材により特攻基地知覧の雰囲気を伝えてくれます。特攻はすべて志願兵という説もありますが、実際には行かざるをえないといった状況だったようです。


また、「生きて虜囚の辱めを受けず」といった言葉があるように、成果よりも、死ぬことが目的化されていた雰囲気も伝わってきます。なぜなら特攻により優秀な兵士が損耗すること、現状の爆弾で艦船を沈没させることが難しいとの実験結果があったこと、などを考え合わせると、軍部が頑張っていることをPRするのが目的だったのではないかとさえ思えてきます。


・倉沢参謀がきては、おうへいな態度で、ののしった。「死ねないようないくじなしは、特攻隊のつらよごしだ。国賊だ。」・・・このような冷遇と恥辱を与えられるのも、ただ単に、特攻隊員が生きて帰ってきた、というだけなのだ。(p148)

軍部が頑張っていることをPR

特攻隊員にすれば、爆弾を相手に命中させることが目的なのに、なぜ体当たりしなければならないのか理解できなかったようです。体当たりすると一回で終わってしまいますが、爆弾を投下するのは何度もできるのです。


私は、こうした特攻攻撃という 不合理が実行されていった当時の日本を簡単に非難できないと思います。京都議定書にしろ、国債発行にしろ、現在も同じことが続いている。私は、そう思います。本の評価としては★3つとしました。


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この本で私が共感した名言

・桜咲く故国をあとに我はいま沖縄の海に清く散り行く(p25)


・実験の結果では、陸軍の爆弾では、艦船を沈めることはできないことが証明された。これに対し、三航研は、公文書で反論を送ってきた。『飛行機が爆弾をつけて体当りをすれば、艦船も撃沈できる。今、必要なのは、爆弾の改良よりも、体当り攻撃を実施することだ』というのだ(p322)


▼引用は、この本からです。


【私の評価】★★★☆☆(70点)



著者経歴

高木 俊朗(たかぎ としろう)・・・1908年生まれ。大学卒業後、松竹入社。戦争中、陸軍報道班員として中国大陸からビルマを回り、鹿児島の知覧飛行場に入る。そうした従軍体験をもとに、戦後ノンフィクションを書き始める。


特攻隊関係書籍

「日本への遺書―生き残り特攻隊員が綴る慟哭の書」田形 竹尾
「不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか」鴻上 尚史
「今日われ生きてあり :知覧特別攻撃隊員たちの軌跡」神坂 次郎
「特攻基地知覧」高木 俊朗


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