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「患者と家族を支える認知症の本」長谷川 嘉哉

2011/02/15公開 更新
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患者と家族を支える認知症の本


【私の評価】★★★★☆(82点)


要約と感想レビュー

 だれでもそうですが、時間とともに老化していきます。ある人は病気になり、ある人は健康に過ごしていきます。そして、認知症は、病気をしなかった人がかかる最後の病気なのです。認知症患者は300万人だそうですので、日本人の30人に一人。だれでもかかる病気といえるでしょう。


 認知症の症状として、「お金を盗まれた」「あなたは妻に似ていますが、誰ですか」なんて突然言われたら、驚くでしょう。ショックだし、悲しいことですが、この本を読んで事前の準備があれば、慌てることはないでしょう。


・葛藤型・・・自己主張が強い・・・
 回帰型・・・「帰りたい過去を持った幸せな認知症」
 遊離型・・・集団から完全に遊離(p24)


 認知症で注意すべきなのは、あらかじめ任意後見人や成年後見人を付けておくことです。成年後見人は月2万円ほどの費用がかかりますので、事前に家族会議で決めておくべきなのでしょう。


 著者がお勧めするのは、家族が協力し合いながら認知症のおじいさんやおばあさんを心配する姿を子どもたちに見せることです。そして、「残った人間に自分の死を見せること」が人の最後の仕事だというのです。


 著者の温かい気持ちが伝わってきて、自分も認知症に対して温かい気持ちで対処できるような勇気がわいてきました。お年寄りが近くにいる人は必読です。長谷川さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・電話中に突然お母さんから、「あんた誰だっけ?」と言われたというのです。(p8)


・脳リハビリ・・・
 1 指の運動
 2 音読・計算
 3 人とのコミュニケーション(p35)


・軽い負荷の有酸素運動・・・心理的改善にとてもいいのです(p36)


・私の父・・・定年後、"ある決意"をして、70歳を越えた現在も、とても元気に過ごしております。その"ある決意"とは・・・「誘いを受けたら断らない」(p83)


患者と家族を支える認知症の本
長谷川 嘉哉
学研メディカル秀潤社
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【私の評価】★★★★☆(82点)


目次

序章 明日はわが身
第1章 認知症の理解
第2章 一生をよりよく生きる
第3章 End of LifeをHappyにするために
第4章 症状別認知症ケアの実際



著者経歴

 長谷川 嘉哉(はせがわ よしや)・・・1966年、名古屋市生まれ。名古屋市立大学医学部卒業。認知症専門医、医学博士、日本神経学会専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本老年病学会専門医。2000年、土岐内科クリニック開業。在宅医療では開業以来、50,000件以上の訪問診療、500人以上の在宅看取りを実践している。現在、医療法人ブレイングループ理事長として、在宅生活を医療・介護・福祉のあらゆる分野で支えるサービスを展開している。


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