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「老いの才覚」曽野 綾子

2011/01/14公開 更新
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老いの才覚 (ベスト新書)


【私の評価】★★☆☆☆(69点)


要約と感想レビュー

国家の品格」という本がありましたが、この本は、「老人の品格」といった内容の本でした。「今の老人はだらしながいぞ!」と、曽野さんは言いたいようです。そして同時に、曽野さんは、老人を叱咤激励しているようですが、実は、日本人そのものを叱咤激励しているように感じました。


だめな人の指数として、老化度を紹介しています。老化度は、「くれない指数」で測れます。友だちが「してくれない」、配偶者が「してくれない」、娘や息子や兄弟や従兄弟が「しれくれない」と終始口にしている人は老化しているというのです。


・若くても、他者への配慮がなくなったら、それが老人なんですよ。電車の中で足を出して座ったり、眠りこけている人は二十歳でも老人です。(p130)


人間は、自立しなくてはなりません。若者でも、ビジネスマンでも、老人でも、何かをして社会に貢献することが、基本的に大切なことなのです。だから、料理、掃除、選択など、日常生活の営みを人任せにしてはいけないのです。


自立はお金を稼ぐことから始まるのです。ひと昔前までは、人は死ぬまで働くのが当たり前であったことも知っておくべきなのでしょう。もし、年金をもらっている老人の半分が、曽野さんのようにバリバリ自立して、年金なんていらないよ!と言ってくれれば、日本の財政破綻はちょっとだけ先延ばしできるかもしれません。曽野さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・よく「日本は経済大国なのに、どうして豊かさを感じられないのだろうか」と言われますが、答えは簡単です。貧しさをしらないから豊かさがわからないのです。(p21)


・老人は、もう少し自ら遠慮すべきだと思います・・・高齢者がまず受ける権利を放棄したほうがいい。(p44)


・私なんか、かなり前から義理を欠いています。大切なのは生きている間だと思っていますから、お葬式は時々失礼します。生きているうちなら見舞いに行くのも大切なことかもしれない。(p101)


老いの才覚 (ベスト新書)
曽野 綾子
ベストセラーズ
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【私の評価】★★☆☆☆(69点)


目次

第1章 なぜ老人は才覚を失ってしまったのか
第2章 老いの基本は「自立」と「自律」
第3章 人間は死ぬまで働かなくてはいけない
第4章 晩年になったら夫婦や親子との付き合い方も変える
第5章 一文無しになってもお金に困らない生き方
第6章 孤独と付き合い、人生をおもしろがるコツ
第7章 老い、病気、死と馴れ親しむ
第8章 神様の視点を持てば、人生と世界が理解できる



著者経歴

曽野 綾子(その あやこ)・・・1931年生まれ。作家。54年聖心女子大学英文科卒業。79年、ローマ法王庁よりヴァチカン有功十字勲章受章。93年、恩賜賞・日本芸術院賞受賞。97年、海外邦人宣教者活動援助後援会代表として吉川英治文化賞ならびに読売国際協力賞を受賞。95年から2005年まで日本財団会長を務める。日本文芸家協会理事。海外邦人宣教者活動援助後援会代表。日本郵政株式会社社外取締役


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