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「テレビ屋独白」関口 宏

2023/09/17公開 更新
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【私の評価】★★☆☆☆(65点)


要約と感想レビュー

テレビ番組の「質」の低下

偏向報道で悪名高きTBS「サンデーモーニング」の関口宏さんが引退するとのことで読んでみました。10年前の本となります。いきなり、最初の「序」の章では、最近テレビ業界は視聴率もスポンサーも減り続けていることを伝えつつ、一番危惧することは、番組の「質」の低下であるという。


いやいや、テレビの「質」の平均値を下げているのは、TBS「サンデーモーニング」でしょ!と家内が突っ込んでいました。私はTBS「サンデーモーニング」の政治コーナーは偏向が激しいので、スポーツの紹介が始まってから見るようにしています。また、できるだけTBSやテレビ朝日は見ないようにして、事実だけを放送してくれるBS・NHKを見るようになったのは、TBS「サンデーモーニング」のおかげなのです。


・最近のテレビは、視聴者離れが著しく、スポンサーも減りつつあって、苦戦を強いられている・・一番の危惧は、「質」の低下(p7)


慢性テレビ屋サギ症候群

驚いたのは、慢性テレビ屋サギ症候群という言葉を紹介しながら、テレビ番組では小さな出来事を、お涙頂戴物語り風に仕上げてしまったり、サギに近い「ヤラセ」に走りがちであると告白しています。ちゃんと自白しているじゃないかと思ったら、「電力会社の世論操作のような、社会問題にもなりかねない」と自分の世論操作は棚に上げて、電力会社を批判しているのです。


この思考構造こそ、慢性テレビ屋サギ症候群なのでしょう。著者は、テレビは、どんなに飾っても、素の姿を映してしまうと言っています。確かに私たちは、TBS「サンデーモーニング」がどういった偏向番組なのか、知っているのです。


・テレビは、どんなに美しく飾ったベールでも、じわじわ剝ぎ取ってしまうメディアなのである(p62)


テレビ屋とは自分は何を伝えたいのか

私が体育会系で理系だからだと思いますが、頭に来たのが、「体育会系は平気で落第点も取るし、時に規律破りも犯すので、すべてをこの人達に任すわけにはいかない。それを監視し、コントロールする文科系も必要なのである」という一節でしょう。私に言わせれば、「関口宏とTBSは平気でウソを話すし、時に偏向報道もするので、すべてをこの人達に任すわけにはいかない。それを監視し、コントロールする論理的な理系も必要」だと思うのです。


関口氏は「テレビ屋の仕事とは、自分は何を表現し、何を伝えたいのか」が原点であるとしています。私が翻訳すれば、「テレビ屋の仕事とは、現実とは異なっても、自分が表現したいことを伝えること」なのでしょう。良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・視聴率・・味噌汁が美味いか不味いかは、その鍋全部を飲み干さなくても、オタマ一杯飲んでみりゃ分かるだろ(p74)


・野党にいた時は威勢もよく、高く評価されていた人なのに、与党の中枢に座るやいなや、まるで魂を抜かれた夢遊病者のように変貌してしまう日糸をよく見かける(p132)


・テレビは科学的に、人間の善悪、正邪を映す鏡であってほしい(高柳健次郎)(p157)


▼引用は、この本からです


【私の評価】★★☆☆☆(65点)


目次


誕生
黄金時代
VTR
テレビの本質
視聴率
矛盾


あとがき



著者経歴

関口宏(せきぐち ひろし)・・・1943年、東京都生まれ。63年から俳優として活動をはじめる。66年、立教大学法学部卒業。71年からフジテレビ「スター千一夜」の司会を務める傍ら、映画、ドラマに多数出演する。80年代から「クイズ100人に聞きました」をはじめ、司会業を中心に活躍。「わくわく動物ランド」、「知ってるつもり?!」、「関口宏の東京フレンドパーク」などをヒットさせた。他方では、小柳ルミ子の「星の砂」の作詩を手掛け、日本作詩大賞作品賞も受賞している

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