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「学問のすゝめ 人は、学び続けなければならない」福沢 諭吉

2009/10/20公開 更新
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学問のすゝめ―人は、学び続けなければならない


【私の評価】★★☆☆☆(63点)


要約と感想レビュー

 今頃、「学問のすすめ」を読むのも気が引けましたが、実際に読んでみると明治の本とは思えぬ、本質を見定めた本だと思いました。まず、「天は人の上に人を造らず」です。


 福沢諭吉が言いたいのは、人間は生まれながらにして平等という意味は、あくまで、基本的人権についての平等である。実際の社会においては、社会に役立つ人の給料は高く、だれでもできる仕事をしている人の給料は安い、というのが当然である、ということです。


・万人はみな同じ地位・資格を持ち、生まれながら平等である・・・賢人と愚人の違いは、学ぶか学ばないかによって決まるのである。(p13)


 また、国家、個人の独立です。福沢諭吉は、国家も個人も独立したものでなくてはならないとしています。つまり、他国、他人に頼らない、自分の足で立つことができなければ、発展することはない、ということです。


 福沢諭吉は富国強兵を主張していましので、軍事力なき外交は無力であると知っていたのでしょう。もちろん暴力は否定されるべきですが、自らの安全と自律性を保つためには、軍事力は必須なのが国際関係なのです。


・独立とは、自分で自分の身の始末をつけ、他人を頼る心がないことを言う。他人の考えに影響されず、自分で物事の理非を見分け、自分の行動に間違いを起こさぬ者を、独立人と言う。(p38)


 現代でも通用する、独立の精神、良いものから学ぶ気持ちの大切さを伝える良書だと思いました。当時としては画期的な本だったのでしょう。本の評価としては★2としました。


この本で私が共感した名言

・一国は商社と同じであり、人民はその社中(会社の仲間)の一員と同じであって、一人で、支配する立場・仕える立場の、主客両様の役割を務めることなのである(p84)


・学問は、ただ本を読むだけで、こと足りるものではない。学問の本質は、学問を自分がどう活用できるかにかかっている。(p142)


・西欧諸国の経済侵略は、いまアジアに敵なしの観がある。恐るべきことである。この西洋商人の強大さには注目すべきだが、同時に、西洋の文明にもまた学ばねばならぬものがある。(p151)


▼引用は、この本からです。
学問のすゝめ―人は、学び続けなければならない
福沢 諭吉
三笠書房
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【私の評価】★★☆☆☆(63点)


目次

天は人の上に人を造らず
勉強しない人ほど損な人はいない
独立の「気風」をいかに育て、守るか
「人の上に立つ人」の責任とはなにか
人間の「勇気」はどこから生まれるか
法律の貴さを論じる
国民のなすべき務めを論じる
自分の考えだけで他人を評価してはならない
学問の目的とはなにか―中津の旧友に贈る
明日に希望が持てる生き方を―前編の続き、中津の旧友に贈る
ニセモノ紳士の実体
効果的なスピーチのすすめ
怨望は何よりも有害であること
自己の精神を再点検する
「取捨選択」を誤るな
「物質的独立」なくして精神の独立はない
人望は人間の大きさ・仕事の大きさに比例する



著者経歴

 福沢諭吉(ふくざわ ゆきち)・・・1835~1901。豊前国中津藩士。緒方洪庵の適塾で蘭学を学び、のち英学に転じる。幕府に出仕し幕府遣外使節に随行して渡米・渡欧。1868年、慶應義塾を創設。啓蒙思想家、教育家


 檜谷昭彦(ひのたに てるひこ)・・・1929年東京生まれ。1953年慶応義塾大学文学部卒、1959年同大学大学院博士課程修了。慶応義塾大学教授、名誉教授、文学博士。専攻は近世日本文学、主として井原西鶴の作品の研究。著書に『井原西鶴研究』『西鶴論の周辺』『日本人と嘘』『ことわざの世界』『未練の文学』『江戸時代の事件帳』など多数。1998年没


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