「世界一の庭師の仕事術」石原 和幸
2009/04/22公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(86点)
■石原さんは、23歳のとき活け花を見て感動し、
花屋になることを決心しました。
その後、花屋に弟子入りし、29歳で独立。
長崎で路上販売をはじめます。
■ところが閉鎖的な長崎の花市場に入れてもらえず、
結局、久留米市の花市場から片道4時間を
往復する生活をはじめました。
店もたった月5万円、
たたみ一畳分の広さです。
それでも、安さと工夫と感動で、
売上を上げていきました。
・あるときは、飲み屋を
カスミソウで埋め尽くしたこともありました。・・・
使ったカスミソウは1000本(p51)
■会社は順調に大きくなります。
ところが、石原さんは目標を見失っていきました。
40歳頃、大手商社から声をかけられ、
花屋のフランチャイズをはじめます。
しかし、全国展開のフランチャイズ店と、
町でお客様に声をかけて花を売る商売とは、
まったく違った商売でした。
業績は伸びず、借金がどんどん
増えていきました。
そして8億円の借金を抱えたところで撤退。
長崎に帰ったのです。
・小金を持つようになり、
ハングリーさがなくなって、
天狗になっていました(p73)
■借金を返済するために、石原さんは、
花だけでなく庭も作るようになりました。
単価が数百円の花と、数万円、数十万円の庭では、
借金を返す石原さんには
庭を作っていくしかなかったのです。
■必死に借金を返す日々を送りながら、
石原さんはイギリスの世界一権威のある
チェルシー・フラワーショーという
ガーデニングショーと出会いました。
イギリスの会場で作品の庭を見た石原さんは、
愕然としました。
「こんな世界があるんだ。今までの自分がはずかしい・・・」
そして、
「ここで勝負したい」
石原さんがそう決意するのに時間はかかりませんでした。
■しかし、借金生活のうえに、経験なし。
さらに、参加資金5000万円と、
現地に三ヵ月会社を休んで滞在する必要があるのです。
材料も現地調達で、思った材料が集まらず、
アクシデントの連続です。
松がない、砂がない、コケがない、板が短い。
結局、出来上がった作品の8割は
他のチームから材料を借りることになってしまいました。
・自分の置かれた状況で、
思いつくかぎりのことをする。
それがぼくのやり方です。(p26)
■初挑戦の結果は、「銀メダル」でした。
そして、二年目にも5000万円の資金を集め「金メダル」。
三年目も「金メダル」。
四年目も「金メダル」
三年連続の金メダルを達成したのです。
・世界一になる夢に挑戦し、
その末につかんだものは、
称号や名誉ではなく、涙でした。(p131)
■石原さんは、「借金こそ宝物」といいます。
自分が天狗になっていたことを教えてくれた。
必死さを取り戻してくれた。
そして、世界一という目標を与えてくれた。
苦難が自分を成長させてくれたというのです。
・「自分の給料はこのくらいだから、この程度の仕事をすればいい」と、
もし思っているとしたら・・・すぐにでも改めたほうがいい。
そこには何の進歩もないし、仕事の楽しさだって気づくことのないまま、
終わってしまうでしょう(p203)
■久しぶりに、アホな日本人を発見しました。
アホなほどに熱い、花と庭と感動を愛する石原さんです。
こんな日本人がときどきいるからこそ、
日本は強いのだと思いました。
本の評価としては★4つとしました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・原点を見失っていたのです。
3000円の花束を福岡まで160キロの道のりを車で
走って届けに行って、お客さんと一緒に泣いたあの感動を、
どこかに置き忘れてしまっていました。(p81)
・「お客さんに心から喜んでもらえて、
本当によかった」という思いこそが、
ぼくの最大の原動力なのだと、ようやく
思えるに至ったのです。(p137)
・「ここがドラマだ」と思ったら、
オーバーアクションでその人のために動くのです。
するとお互いの伝説ができる。
目の前の人を喜ばせることを必死でやれば、絶対に繁盛します。(p202)
▼引用は、この本からです。
WAVE出版
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打ち込めるものをもつことのすばらしさ
経営者の読む本ですね
仕事に熱くなれない心に、響いた本
3年のスランプを脱出しました
【私の評価】★★★★☆(86点)
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■関連書評■
a. 「奇跡のリンゴ」石川 拓治
【私の評価】★★★★★
b. 「仕事道楽」鈴木 敏夫
【私の評価】★★★★☆
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