【書評】「短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント」石田 淳
2008/12/08公開 更新

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【私の評価】★★★★☆(88点)
要約と感想レビュー
部下の行動により評価する
業績評価ではなく、行動による評価を行うことで、人間は行動し、成果を出せる!という一冊です。行動したことを認められた社員は、再び認めてもらおうとして同じ行動を繰り返すようになるだろうというわけです。
実は、この手法は、本のソムリエも利用しています。それは<前日、蒔いた成功の種>です。つまり、自分の望ましい行動をチェックし、その行動具合によって、自分を褒めてあげるわけです。
この本では、望ましい行動をしたら、すぐに褒める、表彰することが大切と説明しています。一週間の累積ポイントにより、自分に何かプレゼントしてあげるとさらに効果が上がるのでしょう。
「行動に焦点を当て効果を測定できる」という考え方が、いかなる人に対しても成長と継続をもたらすだろう。(p21)
成果主義より行動主義
こうした手法に反感を持つ人もいるようですが、「成果主義」という成果だけを評価する手法よりも、この手法のほうが、ゲーム感覚もあり、私は好きです。
なぜなら、わくわくしながら仕事をしたほうが、私は前向きに仕事ができ、自分の能力を発揮できるように感じるからです。
動物行動学の実験の話を持ち出すと・・・「科学的すぎて非人間的だ」との反発を受けたことも一度や二度ではない。要するに「人間を動物のように手なずけるつもりか」という生理的な拒絶であろう。(p213)
罰やペナルティを多用しない
プラスのフィードバック(褒める)に対して、マイナスのフィードバック(叱る)はどうなのでしょうか。罰やペナルティは、望ましくない行動を減らす手法です。が、それがあまりに継続すると意欲は急速に減退していくそうです。
「絶望感」を持つようになると、この本では説明しています。私はこれを理解できます。「まぐまぐ大賞」にノミネートされなかったとき、絶望感さえを持ちましたから・・・。(私も動物なんですね)
行動を増やすものがリインフォースであり、減らすものが罰とペナルティである。日本企業のように罰やペナルティを多用していると、自発的な意欲が減退していく。なぜなら、社員が「絶望感」を学習するからだ。(p125)
望ましい行動をリストにする
望ましい行動をチェックリストとし、そのチェックリストで評価していく。非常に単純でありながら、効果のある手法だと思います。
我が家では、私の<前日、蒔いた成功の種>だけでなく家族のチェックリストを作ることにしました。みなさんもこの本の手法を利用してみましょう。★4つとしました。
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この本で私が共感した名言
・チェックリストは重要な行動に焦点を合わせたものだ。(p79)
・常に文句を言っている人に対して、その都度、取り合うのは生産的ではない。無視するのではなく、その行動は問題だとはっきり言う。・・・いくら注意喚起しても対処するつもりはない、ということも説明しよう。(p138)
【私の評価】★★★★☆(88点)
目次
序章 日本の経営システムを変える
第1章 行動分析とは何か
第2章 すべてのビジネスは行動の集積である
第3章 行動を決める「リインフォース」
第4章 人が動く理由―ABCモデル
第5章 人が動く条件―PST分析
第6章 明日からパフォーマンスが上がる5つのステップ
まとめ 行動分析の実践と可能性
著者経歴
石田 淳(いしだ じゅん)・・・(株)ウィルPMインターナショナル代表取締役社長。(株)ウィルエデュケイトスクール代表取締役社長。行動科学マネジメント研究所所長。ADIジャパン代表。1998年退職し、学習塾の経営を開始する。人間の行動科学を米国のADI社に学ぶ。5年で直営90教室を開校。行動科学を社内マネジメントと教育システムに導入し、成果を出している。
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