「隷属国家 日本の岐路―今度は中国の天領になるのか?」北野 幸伯


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【私の評価】★★★★★(96点)
要約と感想レビュー
■この本の特徴は、日本が今、直面している問題を
明確に指摘し、その解決方法を
提示しているということです。
問題はだれでも書くことはできます。
しかし、これほどまじめに解決策を示した本は
ほとんどありません。
■まず、国益とは、
金儲けと安全であると断言しています。
言い換えれば、経済と外交・軍事です。
金と経済が国家を支えているのです。
■金儲けについては、
グローバル社会では、海外進出ではなく、
海外から企業や投資を呼び込む必要があると断言しています。
つまり、企業の海外進出を援助・推奨している
経済産業省のスタンスは国益に
反していると断言しているのです。
・グローバルな時代は、国家も人・企業・金の呼び込み競争をしなければ負ける(p54)
■また、世界の企業を日本に呼び込むためには
大減税が必要であるとしています。
借金の多い日本では難しいように感じますが、
税率を減らすと逆に税収は増えるというのです。
■外交の分野では、
日本の領土を侵略してくるのは
東シナ海への進出を目指している
中国だけであると定義しています。
そして中国に対応するためには、
まず、アメリカ、次にロシア・
インドとの協力が必要であり、
ロシアを日本に引き寄せて、
ロシアと中国を分断することが必要である。
■この本では、これら以外にも
食料自給率の問題、移民の問題、
教育の問題など日本の論点について
明確な方針を提示しています。
・いろいろな人種の大金持ちと話をしました。皆さん口をそろえて「これからは農業が儲かる」といいます。儲かるというのは、つまり食料が不足し高く売れる時代が来るということ。(p156)
■あまりにわかりやすくて、
どうしてこれまでこうした本がなかったのか?
と疑問に思ってしまうような一冊でした。
建前だけしか流すことのできない新聞、テレビの
情報だけでは満足できない人にお薦めします。
本の評価としては★5つとしました。
この本で私が共感した名言
・移民受け入れで日本に起こる問題・・・日本人失業者の増加と賃金水準の低下・・・差別意識の高まり・・・生産性の停滞・・・移民のマフィア化・・・治安の悪化(p91)
・投資に関しては、「入ってくるのをサポートするのは善」「出ていくのをサポートするのは悪」・・・政府は、日本の国益とは正反対のことをしている。(p117)
・中国は「平和ボケ」日本とは違い、国防を切実に考えています。・・・日本サイドから見ると、「中国が尖閣諸島と東シナ海の日本領海を侵略する可能性は高い」となります。(p137)
・ユダヤ人は、「世界一教育熱心だ」と自負しています。しかし、そんな彼らも、「自分たちと同じくらいのレベルなのではないか?」と尊敬している民族がいる。それが、「日本民族」。(p188)
・本多先生に「金に支配されないために、蓄財に励め」と勧めたのは、ミュンヘン大学の著名なブレンタノ教授でした。(p213)
・世界で日本を嫌っている国など、中国、韓国、北朝鮮くらいしかないのです。・・・日本は世界で最も好かれている国の一つであることを確信しています。(p238)
▼引用は、この本からです。
【私の評価】★★★★★(96点)
著者紹介
北野 幸伯(きたの よしのり)・・・1970年生まれ。国際アナリスト。ロシア外務省付属モスクワ国際関係大学卒業後、プーチン大統領の元ブレーンとともに日露ビジネスコンサルティング会社IMT設立。1999年からメールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」を発行。イラク戦争、北朝鮮情勢、次はイランなど次々と予測を的中させる。モスクワに28年滞在。2018年、日本に帰国
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メルマガで紹介されていた
『隷属国家 日本の岐路―今度は中国 の天領になるのか?』
を読んで、
世界規模で物事を考えるようになりました。
それ以外にも5つ星評価の本を中心に本を購入し、
読書が趣味の一部になりました。
このメルマガに出逢えて幸せです。