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「修身教授録」森 信三

2008/06/18公開 更新
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修身教授録―現代に甦る人間学の要諦 (致知選書)


【私の評価】★★★☆☆(79点)


■昭和初期に天王寺師範学校において
 森 信三先生が教師の卵である学生に行った
 修身の授業記録です。


 「修身」の教科書を使わず、
 森 信三先生独自の授業を行っています。


■森 信三先生の基本的な考え方は、
 「人生二度なし」であり、
 この貴重な人生をより良いものにしようというものです。


 技術論、方法論はほとんどなく、
 精神的な規範を説いているのが
 印象的でした。


・人生はしばし申すように、二度と再び繰り返し得ないものであります。したがってまた死・生の悟りと言っても、結局はこの許された地上の生活を、真に徹して生きるということの外ないのでしょう。(p523)


■特に読書の大切さを強調し、
 二宮尊徳、吉田松陰、論語など
 マジメな良い本を紹介している場面が
 多くあります。


 書物が貴重な当時としては、
 生徒に強烈な印象を与えたのでは
 ないでしょうか。


■精神論が中心でしたが、こうした授業を
 学校で行ってほしいものです。

 本の評価としては★3つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・人間の知恵というものは、自分で自分の問題に気付いて、自らこれを解決するところにあるのです。教育とは、そういう知恵を身に付けた人間をつくることです。(p134)


・諸君は、指し当たってまず「一日読まざれば一日衰える」と覚悟されるがよいでしょう。(p65)


▼引用は、この本からです。


【私の評価】★★★☆☆(79点)



■著者経歴・・・森 信三(もり のぶぞう)

 1896年生まれ。京都大学卒業後、
 天王寺師範学校の専攻科講師となる。
 1939年旧満州の建国大学に赴任。
 1953年神戸大学教育学部教授。
 1965年神戸海星女子学院大学教授。
 1975年「実践人の家」を設立。
 1992年逝去。


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