「かしこい人は「器」が小さい―もうひと回り自分を大きくする方法」伊吹 卓
2007/12/07公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(86点)
要約と感想レビュー
人間には、器があります。人間の器とは、測るに測れぬものですが、その人の人生を左右する重要な指標でもあります。この本では、( 人間の器 )をテーマに著者が自分の経験談を交えて、エッセー風に語ってくれます。
人間の器を大きくするコツは、3つに集約されるのですが、それらが、著者の経験談から導き出されるのが、本書の素晴らしいところでしょう。器を大きくするためには、自ら学び、自分ではなく人のために行動するのです。
・器を大きくするためには・・・
1 自分をつくる - 自己啓発
2 自分を捨てる - 我を捨てる
3 人のために生きる - 奉仕(p126)
たとえば、著者は若い頃、気が強いタイプでした。ですから、筋が通らないことを言う人は、はっきりとそれは間違っていますと主張していたようです。
しかし、47歳にして、そうした表面的な強さが、人を遠ざけ、仕事を失敗させる原因となっていたことに著者は気づいたといいます。つまり腹が立ったら、バカになって、「目からうろこが落ちました」と言えるかどうか、それが、器なのです。
・「腹が立ったら、ありがとう」・・・もとの言葉は、もう少し長いのです。「お前がかしこいことは、俺がよく知っている。ここはバカになって、人の話をよーく聞け。腹が立ったら、ありがとうと思え。」(p168)
著者の体験談が多く、充実した内容でした。タイトルの意味するところは、頭の良い人は、人に教えようとして、人より賢いことを証明し、人をバカにすることになってしまうのです。本当に頭の良い人は、人から学ぼうとして、人に自己重要感を与え、人に好かれるのです。
大切なことを教えてくれる一冊でした。★4つとします。
この本で私が共感した名言
・ぺんてるの堀江幸夫社長(当時)は、ひまを見つけては問屋や小売店を訪問して、「ぺんてる商品に対してお客様から苦情がでてませんか」とたずねて回ったというのです。(p52)
・人生の方針を立てるには、どのようにしたらよいのでしょうか。私の経験からいったら、まず三日坊主をやることです。・・・やってみたいことを全部やってみることです。私は二十五歳までに三十種類やりました。(p127)
・アパレル・メーカーの(株)ワールドの木口衛会長に・・・「経営で大切なことは何でしょうか。一つ教えてください」といったら、「そうですね。人を怒らせたらいかん、ということですね」とポツンといわれました。(p150)
・結論からいえば「教えたがる人は、程度が低い」のです。・・・「百聞は一見にしかず」「教えることはムダである」「体験したことしかわからない」・・・「現場主義」(p165)
▼引用は、この本からです。
大和出版
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【私の評価】★★★★☆(86点)
目次
第1章 人間、「泥臭さ」が必要だ
第2章 弱気な人はソンをする
第3章 器が大きくなると人が集まる
第4章 もうひと回り自分を大きくする方法
第5章 かしこい人は器が小さい
第6章 会社の盛衰は社長の「器」で決まる
第7章 大器は大凡なり
著者経歴
伊吹 卓(いぶき たく)・・・1932年生まれ。1960年電通にコピーライターとして入社。1966年渡米し、セールスアイディアを研究。現在、商売科学研究所会長。
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