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「人を動かす鉄則 頑固な上司、やる気のない部下の説得法」畠山 芳雄

2007/01/23公開 更新
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人を動かす鉄則 頑固な上司、やる気のない部下の説得法 PHP文庫

【私の評価】★★★☆☆(75点)


●経営コンサルタントの「人を動かすコツ」を
 まとめた一冊です。


 人を動かすコツといっても、
 基本的には人と人との関係ですから、
 人間関係構築のコツといえるでしょう。


●まず、( 人を褒める)というのが、
 良い人間関係の基本です。


 そして、その褒めた言葉が、人を介し、
 間接的にその人に伝わったとき
 大きな効果を持つのです。


 ・どんな人でも、その人なりのよいところは
  必ず持っているものだ。
  それを見つけるのは、幹部の義務である。・・・
  部下のばあいであれば、それを間接に
  だれかから聞いたとき、自分が見られ、
  重要視されていると感じ、
  行動も変わってくることにもなろう(p38)


●また、多くの部下がいれば、
 気の合う部下、合わない部下が
 いるはずです。


 気が合う、合わないは、人間として
 仕方がないことではありますが、
 上司としては接触の回数など、平等に対応するように
 気を配る
必要があるのでしょう。


 ・幹部は自分の部下の一人一人に対し、
  "イヤな奴"・・・に対しては、
  こちらからも接触の回数が少なくなる傾向を持つが、
  これはよくない。できるだけ幹部のほうから
  積極的に話しかけ、一緒に仕事をし、
  遊び、というふうに努めたい。(p145)


●そして、注意する場合には、
 その場で、伝えることが大切です。


 気づいたときに、指摘するということは、
 言うのは簡単ですが、実際に、
 その場で注意するのは慣れが必要でしょう。


 ・「そのつど注意する」ことだろう。必ず切りかえす。・・・
  まずいなと思ったら、
  "どうしたらいいんですかと言うまえに、
  まず自分の考えをいいなさい"。
  "あまり考えずに、「できません」というんじゃないよ。
  まず方法がほかにないか考えるんだ"・・・
  といったふうに。(p199)


●地味な一冊でしたが、著者の長年の経験を通して学んだ
 仕事のコツは納得できるものでした。★3つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・上司は、信頼している相手の話は素直に聞くし、
  「ちょっとかれは」と思うばあいには反論や注意、
  それに「この際言っておこう」という教訓がふえ、
  相手への提案どころではなくなってしまう。
  この信頼感は、"平素のつきあい"によって
  形成されるものだ。(p24)


 ・矢もたてもたまらなくなり、私は日曜日にかれを
  自宅に訪ねることにした。・・・
  力がないのなら、それは情熱と一生懸命さで
  補うしかほか方法はない。(p56)


 ・強行偵察・・・上役のところへいき、
  "じつは私、こんなことを考えているんですが、どうでしょうか"
  と最初に意見を聞き出す方法が一般的だろう。(p73)


 ・一案主義より数案主義(p80)


 ・空気をつくる・・・経営層ないし影響力の強い幹部から、
  その問題の重要性について、公式に話してもらうことは、
  つねに必要である。問題を研究する各種の
  研究会、委員会、調査グループなど(p115)


▼引用は、この本からです。

【私の評価】★★★☆☆(75点)


■著者経歴・・・畠山 芳雄(はたけやま よしお)

 大正13年生まれ。昭和19年陸軍経理学校本科卒。
 官庁、工場、商社などに勤務の後、昭和24年(社)日本能率協会。
 日本能率協会理事長、副会長、特別顧問。経営革新研究所所長。(当時)


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