「椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる!」酒巻 久
2005/09/12公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(83点)
●この本では、椅子をなくしたり、
社員のパソコンの使用状況をチェックしていることなどが
目立っていますが、酒巻さんのすごさは
別のところにあると感じました。
それはトップがやるべきことを理解し、
その方法を知っているということです。
それは目的を明確にすること。
そして具体的な方法を自分が指示するのではなく
部下に考えさせるということです。
・「座ってないで立ちなさい」などと、
私から命令したことはただの一度もない。
トップがすべきは、改革の「目的」を明示することであり、
それを実現するための「手段」は
部下に考えさせないといけない。(p57)
●著者がキャノン電子の再建で掲げた目標は
すべてを半分にしようというもので、
普通に考えれば無理な目標です。
しかし、著者が現場をみて「できる!」という確信があり、
実際できているのですから、
著者の目が確かということでしょう。
・私がキャノン電子へ赴任し、最初に言ったのは、
次の二つだけである。
1 世界のトップレベルの高収益企業になろう
2 そのためにすべてを半分にしよう(p20)
●部下に自分で考えさせるということも徹底しています。
会議でも書類でも、かならず自分の意見を
出させるということです。
・前に会議では「~だろう」式の発言を禁じていると書いた。
実は同様に、自分の意思のない報告書も禁止しており、
そのような報告書を持ってきた場合は、
その場で突き返すことにしている。(p206)
●荒っぽい中に、
実は光るヒントが含まれる一冊として
★4つとしました。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・米国のラムズフェルド国防長官は、
齢70をゆうに越えるが、
職務中は一日中立っていると聞いた。(p66)
・キャノン電子ではその後も部署ごとに定期的に
パソコンの操作履歴をチェックしている。
これは定期的にやっていると
社員に知らせる必要がある。(p110)
・具体的には組織として共有すべき書類や資料は、
個人が抱え込むことを厳禁とし、
すべて収納棚にまとめた。(p146)
・事務用品は、再利用を徹底すれば、
新規に購入する必要はほとんどない・・・
再利用をさらに徹底させるには、
備品の購入は社長決済とすることだ(p150)
祥伝社 (2005/07)
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赤字部署、赤字会社の立て直しを考えたら
すごいな
【私の評価】★★★★☆(83点)
●著者経歴・・・酒巻 久
1940年生まれ。キャノンにおいて、VTR、複写機、ファックス、
ワープロ、PCなどを開発して、生産本部長まで昇進。99年キャノン
電子の社長に就任。5年で利益を10倍にする。
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