「人は仕事で磨かれる」丹羽 宇一郎
2005/09/09公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(79点)
要約と感想レビュー
●1999年頃、私は伊藤忠商事と
仕事でお付き合いすることがありました。
そのころは、子会社の整理を進めており、
社員の人たちには、儲けないと切られる
といった切迫感がありました。
本社も売却していましたし、
あらゆる膿を出し切るという
危機感が伊藤忠商事内に充満している
印象でした。
・トップはあらゆることを決断していかなくてはなりません。減損会計にしても、社長が「ちょっと待て。これは三年かけてやろう」と言ったら、それで終わりです。「一気にやれ」と言ったら、実際に会社はそう動きます。最終的な意思決定はトップにあるのです。(p15)
●そういった社員の真剣さを見て、
自分の代で膿を出し切る!
といった社長の決意は、
社員に伝わるんだな~と思ったものです。
著者の丹羽 宇一郎さんは、
一般に変った社長と思われるかもしれませんが、
実は「素直」なだけなのかもしれないと思いました。
不良資産があれば、償却する。
儲からない会社は整理する。
自分で考えてスピーチする。
・もちろん、私も事務局の原稿を見て話すことがあります。でもだいたい私の意見と合わないんです。そうすると、正直に言う。「事務局がこう言えと言っているんですが、私の意見と合わない。したがって、今日はまったく違う話をします」(p182)
●死ぬまで会社にしがみつく経営者もいるなかで、
丹羽 宇一郎さんは引き際も立派でした。
一流です。誠実な人柄に★3つとしました。
この本で私が共感した名言
・私は、一流の人と接することは非常に大事だと思っています。人間は一流と接しないといけない。一流の人に会う、一流のモノを見る、触れる。買えるなら買えばいい。(p199)
・「問題が起きたら、とにかくすぐに飛行機で飛びなさい。お金がかかるとかは問題ではない。人間というのはすぐ飛んで、"フェイス・トゥ・フェイス"で解決しなきゃいけない」と(瀬島龍三さんから)言われました。(p48)
・海外でもビジネスを行う企業が増えてきました・・・基本は、やはり誠実さと言行一致なんです。絶対に裏切らないこと。言ったことは必ず実行に移す。しかも早く行動する。たとえば、「一回、我が社の人間をお宅にお邪魔させます」と言ったら、三日後には行くように指示します。(p51)
・私がこれまでの自分の人生を振り返って誇りに思うのは、絶対に読書を欠かさなかったことです。(p125)
・トップに立つ人間にとって、もっとも重要なことは何か。それは、部下との直接の対話です。・・・一番驚いたのは、ある事業を幹部に「やっていいよ」と言ったのに、回りまわって、末端の海外駐在員には「やってはいかん」というふうに、正反対の意味になって伝わっていた(p174)
【私の評価】★★★☆☆(79点)
著者経歴
丹羽 宇一郎・・・1939年生まれ。安保時には自治会委員長を務め学生運動の闘士。大学卒業後、伊藤忠商事入社し食料畑を歩む。9年間アメリカ駐在。1998年に社長に就任。1999年に約4000億円の不良資産を一括処理。社長任期6年の公約どおり2004年会長となる。
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