「今日の芸術―時代を創造するものは誰か」岡本太郎
2005/05/03公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★☆☆☆(68点)
●「芸術は爆発だ!」というのをテレビで見て、
"なんだこのオッチャンは"と思っていました。
実は岡本太郎のあの独自の作風は、まじめに考え、
悩みに悩んで到達した結果だったのです。
●岡本太郎は、18才でパリに渡り
ソルボンヌ大学に学びながら、
10年間芸術運動に参加します。
そこで多くの芸術家と出会い、
芸術について議論しています。
・日本に帰り、滞欧作品だといって披露すれば、
当時では画壇的な地位も定まり、
万事おめでたかったのです。
私にはそれができなかった。
そんな絵を描こうとすれば、
絶えがたい空虚感で、どうにもならなかった・・・
形式的な、あるいはたんに感覚的な
デフォルマシヨン(変形)
をやってみても、何になるだろう。(p85)
●そうしたなかで、自分らしさを追及した結果が、
あの作風というわけです。
「爆発」とはつまり、自分自身の
感性を爆発させていたのです。
・「自由に描いてごらん」
「かってに描いてみろ」と言われて、
しかもそのほうが、はるかにむずかしくて、
描けなくなる。(p163)
●優秀な人は優秀に見えますが、
優秀が突き抜けるとアホに見えると言います。
そういう意味では岡本太郎は
突き抜けていたといえるでしょう。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・どんなに遊んでも、そのときは
結構たのしんでいるようでも、
なにか空虚なのです。
自分の生命からあふれ出てくるような
本然のよろこびがなければ、
満足できない。(p19)
・自然主義とうのは、ほんとうは、
西欧十八世紀までの、
実生活から浮いてしまった貴族文化の絵空事を
拒否する精神からおこったのです。(p32)
・封建的な家元制度で抑えつけられた芸ごとは、
新しくどんどん伸びてゆく力はなくて、
内に内にと固定し、形式化してゆくのです。(p209)
光文社
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【私の評価】★★☆☆☆(68点)
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