「今日の芸術―時代を創造するものは誰か」岡本 太郎
2008/02/14公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(71点)
■岡本太郎氏の芸術本には、
技術的なことは、一切書かれてありません。
書いてあるのは、あなたは生きがいを持っていますか?
その生きがいを表現していますか?
表現していれば、それが芸術ですよ、
ということだけです。
・身近な例で、たとえばプロ野球を見にいく。結構な楽しみです。いいチャンスに、ホームランがでる、また、すばらしいファイン・プレー。みんな大喜びです。胸がスッーとします。だが、それがあなたの生きがいでしょうか。(p19)
■たしかに、最近の芸術といわれるものは、
ただ適当に作ったもののように見えて、
まったく理解不能のものがあります。
というよりも、うまくなくて良いのです。
自分が作りたいものを作れば良い。
それが芸術だと言うのです。
・ほんとうの自分の力だけで創造する、つまり、できあいのものにたよるのではなく、引き出してこなければならないものは、じつは、自分自身の精神そのものなのです。・・・「自由に描いてごらん」「かってに描いてみろ」と言われて、しかもそのほうが、はるかにむずかしくて、描けなくなる(p163)
■実際、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャンなど
有名な画家でも絵が下手くそな人がいます。
逆に絵が下手くそだから、独自性があって、
今では高い評価を得ているのです。
「自分らしさを出せ!」と
応援されるような一冊でしたので、
★3つとしました。
─────────────────
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・どんな子どもでも、さかんに絵を描きまくります。・・・これほど激しい喜びであったのに、大きくなり、もの心がついてくると、ふしぎに絵を描かなくなります。(p177)
・セザンヌのほかにも、天才として、美術史上不動の地位をもっているゴッホ、ゴーギャンというような人たちが同じ時代に出てきています。・・・彼らはどちらも、まるっきりズブの素人絵かきです。(p140)
・ゴッホ、ゴーギャンの初期の作品など、かなり絵の具の塗り方が、たどたどしい。しかしマイナスどころか、それが逆に精彩をはなち、すばらしい作品になっているのです。・・・熟練だけのうまい絵というやつは、これはちっともおもしろくない。(p224)
▼引用は、この本からです。
光文社 (1999/03)
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刺激的でテンションが上る!!
今なお新しい芸術論
【私の評価】★★★☆☆(71点)
■著者経歴・・・岡本 太郎
1911年生まれ。29年パリに渡る。
パリ大学哲学科に在籍、抽象芸術運動に参加。
40年に帰国、芸術活動を行なう。
70年に大阪万博に「太陽の塔」を製作。
96年没。
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