「自分の中に毒を持て―あなたは"常識人間"を捨てられるか」岡本太郎
2004/05/10公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(81点)
要約と感想レビュー
●岡本太郎は奇抜な芸術家、
ちょっと変わり者かなと思ったら、
実はソルボンヌ大学に留学しているし、
書いていることもまとも。
自分の人生をしっかり考えている。
そして、全てを理解し意識したうえで、
奇抜な芸術を目指していることがわかります。
つまり、きれいなだけが芸術ではない、
素直なものは自分らしさが出ない、
バカバカしいから味が出るということです。
・他人から見ればとるに足らないようなバカバカしいものでも、自分だけでシコシコと無条件にやりたくなるもの、情熱をかたむけるものが見出せれば、きっと目が輝いてくる。これは自己発見だ。生きていてよかったなと思うはずだ。(p35)
●岡本太郎は奇抜な芸術が
一般人には理解されないということを、
知っていたのです。
つまり食べてはいけない可能性が高いのだけれど、
自分の感じるところに向かっていくのが
自分の人生であり、
そこを打ち破ったところに"歓喜"がある、
と知っているのです。
親を含めて他人の意見に従って選択した人生は、
自分の人生ではなく
他人の人生を生きているのではないのか?
それで楽しいのか?ということです。
岡本太郎の深さを、
教えてくれる一冊でした。
バカにできる人間は強いですね。
この本で私が共感した名言
・仮に親の顔色をうかがって就職し、安定を選ぶとしようか。が、それが青年自身の人生なんだろうか。"俺は生きた!"と言える人生になるだろうか。そうじゃないだろう。親の人生をなぞるだけになってしまう。(p26)
・人生を真に貫こうとすれば、必ず、条件に挑まなければならない。いのちを賭けて運命と対決するのだ。そのとき、切実にぶつかるのは己自信だ。己が最大の味方であり、また敵なのである。(p33)
・さしあたり惹かれるものがなかったら、本を読むのもいい。この頃みんな本を読まないらしいが、本は自分自身との対話だ。(p42)
・自分は未熟だといって悩んだり、非力をおそれて引っ込んでしまうなんて、よくない。それは人間というものの考え方を間違っている。というのは人間は誰もが未熟なんだ。自分が未熟すぎて心配だなどというのは甘えだし、それは未熟ということをマイナスに考えている証拠だ。ぼくに言わせれば、弱い人間とか未熟な人間のほうが、はるかにふくれあがる可能性を持っている。
・危険なこと、辛いこと、つまり死と対面し対決するとき、人間は燃えあがる。それは生きがいであり、そのときわきおこるのがしあわせでなくて"歓喜"なんだ。(p74)
・自分を大事にしようとするから、逆に生きがいを失ってしまうのだ。(p216)
青春出版社
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【私の評価】★★★★☆(81点)
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